小倉城に謎解きアトラクションが登場 炎の天守から脱出せよ

ゴーグルをつけて楽しむ新アトラクション

 小倉城(北九州市小倉北区)の歴史をゲームを通じて知ってもらおうと、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの技術を使ったアトラクションが城内の天守閣4階(展示スペース)に登場しました。舞台は、火災で城が焼失した1837年。専用ゴーグルをつけ、仮想世界で謎を解きながら、炎に包まれる天守閣から脱出するストーリーです。

仮想世界で歴史を学ぼう

 アトラクションのタイトルは「XR脱出ゲーム~1837 小倉城 炎の天守から脱出せよ」。料金は1人2500円で、最大4人で同時プレイでき、所要時間は20~30分程度です。ゴーグルを装着すると、再現された天守閣が仮想世界に広がります。


福岡県内で唯一天守閣がある、北九州のシンボル・小倉城。現在の天守閣は1959年に再建された

 小倉城は1569年、中国地方の戦国大名・毛利氏が築きました。その後、関ヶ原の戦いで功績を上げた細川忠興が1602年に本格的な築城を始めます。

 江戸時代になると、本州と九州を結ぶ玄関口として、城は城下町とともに発展を遂げます。しかし1837年に城内で火災が発生しました。城は2年後に再建されますが、天守の建設は資金難から見送られました。

ヒントを見つけて謎に挑む

 アトラクションは、小倉城天守閣4階にある20平方メートルほどの展示スペースで体験できます。


展示スペースの様子。ゴーグルをつけ、天守閣焼失に関する書簡(左)の前に立つと物語が始まる

 ゲームは、当時の藩主・小笠原忠固(ただかた)の魂と遭遇する場面からスタート。ARやVRの機能を搭載したゴーグルを装着し、展示スペースに並ぶ"とある書簡"の前に立つと、忠固の魂が目の前に現れます。

 参加者は、忠固の魂とともに時空のゆがみに吸い込まれ、仮想世界に再現された天守閣へとタイムスリップします。天守閣からは火の手が上がっており、立ちはだかる六つの謎を解きながら、城外への脱出を目指します。


バーチャル空間の天守閣。ゲーム開始直後から炎に包まれている

 出題されるのは、小倉城の歴史にまつわる内容で、パズルゲームや謎解きなどに挑みます。ヒントはVRの映像の中に隠れており、例えば城内のふすま絵をよく観察したり、装飾品を調べたりすると答えにたどりつきます。


ゲーム内の装飾などをよく見ると、ヒントが隠されている

 複数人で遊べるため、友人らと協力しながら挑戦するのも楽しそうです。ゲーム内の様子を撮影できる機能があり、記念写真も撮れます。担当者は「謎解きと歴史学習を融合した内容で、小倉城焼失という史実から当時の藩政の状況などを学び、郷土のことを深く知ってもらいたい」と話します。

基本情報
場所:小倉城天守閣4階・展示スペース (北九州市小倉北区城内2-1)
時間:4月〜10月=9~20時/11月〜3月=9~19時 ※小倉城の営業時間に準じる
料金:XR体験のみ=2500円/小倉城入場セット券=2800円
公式サイトXR脱出ゲーム~1837 小倉城 炎の天守から脱出せよ


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