【宮崎】「推し本ブックレット」完成 都城で記念の催し
宮崎県都城市の小中高生らが薦める本をまとめた「都城版推し本ブックレット」(A5判、25ページ)の完成記念イベントが10月26日、同市内で開かれた。会場では地元の子どもら6人によるそれぞれの推し本の紹介もあり、来場者は本の魅力を堪能した。制作した市の関係者らは読書や活字に親しむ機会の一層の広がりに期待を寄せた。
読書や活字に親しみ 機会拡大へ期待
イベントは市中心部にあり、豊富な蔵書などから多くの市民が集う場となっている市立図書館で開かれた。市にゆかりがある絵本専門士の古賀涼子さんによる防災絵本の読み聞かせの後、セレモニーがあり、池田宜永市長が「推し本の取り組みで、本を読むということが多くの子どもたちに広がっていけばうれしい」とあいさつした。
ブックレット制作に協力した公益財団法人文字・活字文化推進機構(東京)の町田智子専務理事は「推し本を通して、同世代がどんな本を選んでいるのか見てもらい、いろんな分野への興味を高めてほしい」と述べた。
小中高生ら魅力発信
続いてブックレット制作にあたってそれぞれの推し本を投票した小学5年~高校生らの中から6人が登壇。自分の推薦本についてお気に入りの場面や共感した内容などを紹介した。
「西の魔女が死んだ」(新潮文庫)を紹介した高校1年生は「疲れた時、うまくいかない時に心に寄り添ってくれる、人生の教訓となっている本。大切な推し本です」と述べた。
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」などの作品で知られる作家の汐見夏衛さんの講演もあり、汐見さんは直前にあった児童、生徒ら6人による推し本の紹介について、「こんなに本が好きな人がたくさんいることは作家としてうれしい。推し本(の取り組み)が広がると未来は明るく、希望に満ちると感じた」と語った。
児童、生徒ら6人による推し本紹介を聞いていた市内の高校2年生は「気になっている本が取り上げられていた。ぜひ買って読んでみたい」と話した。
ブックレットは子どもたちの投票が多かった本などを紹介。表紙などには都城工業高生のイラストがデザインされている。小中学校などに配布され、市立図書館でも見ることができる。