【山口】中尾彬さんが収集した香月作品 長門市に寄贈

 俳優の中尾彬さん(2024年5月に死去)が生前に収集していた山口県長門市出身の洋画家・香月泰男(1911~74年)の作品12点が、中尾さんの妻で俳優の池波志乃さんから市に寄贈された。池波さんは「夫が最期までそばに置き、大切にしていた作品。多くの人に鑑賞してもらいたい」と話している。

妻・志乃さんが12点


中尾さんの遺影を手に寄贈作品(左)を説明する池波さん

 池波さんによると、中尾さんは1961年に現在の武蔵野美術大(東京)に入り、油絵などを学んだ。フランスへの留学経験もあり、パリの情景を感じ取れる香月の作品を好んで集めていたという。

 作品は香月が56~57年に初めて渡欧し、宿泊先のホテルから望む景色などをスケッチして完成させた石版画集「巴里(ぱり)の屋根」(1971年)や陶版画「無花果(いちじく)」(制作年不明)など計12点。10月17日付で市に寄贈された。

「夫との約束を果たせた」

 この日、長門市の香月泰男美術館で開かれた記念式典で、池波さんは「夫婦で来館できなかったのは残念だが、こちらにコレクションを寄贈する夫との約束を果たせてほっとしている」とあいさつ。同席した江原達也市長は「市の宝として展示、公開し、後世に残したい」と感謝の言葉を述べた。

「受贈作品展」1月13日まで

 美術館は、寄贈作品を紹介する「中尾彬コレクション受贈作品展」を2025年1月13日まで開く。毎週火曜と12月29日~1月3日は休館。入館料は一般500円、小中高生200円。問い合わせは同館(0837-43-2500)へ。


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