【鹿児島】砂むし温泉「安全に血圧低下」 研究結果公表

 鹿児島県指宿市や筑波大、鹿屋体育大などの研究チームは、同市で有名な「砂むし温泉」が温浴やサウナより失神などのリスクが小さく、安全に血圧を下げる効果が認められたとする研究結果を公表した。


砂むし温泉での実験の様子(指宿市提供)


 市によると、市内には砂むし温泉が点在し、利用客は年間で計30万人以上にのぼる。3月21日の発表によると、研究は市内の温泉施設で、2024年11~12月に実施。20~40歳代の健康な男性市民14人が、砂むし温泉、温浴、サウナで、入浴中と入浴前後の深部体温や血圧、呼吸回数などを測定した。

 その結果、温浴やサウナと比較して、砂むし温泉は深部体温の上昇が小さく、上昇に伴う息苦しさも起こりにくいことが分かった。失神などの危険性が低いうえ、温浴やサウナと同様、入浴後の血圧が平均して5程度下がることも判明した。

 天然の砂むし温泉が楽しめる市営「砂むし会館 砂楽(さらく)」を運営する指宿温泉まちづくり公社の南荒生(こうせい)理事長(74)は「大変うれしい結果だった。最近はインバウンド客も増加しており、魅力を広くPRしていきたい」と意気込む。

 筑波大ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センターの藤井直人准教授(43)は「より安全に血圧低下の効果が得られた。今後は、血圧が高い高齢者でも同じ結果が得られるかを明らかにしたい」と話した。


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