【大分】別府「杉乃井ホテル」にオオカミのオブジェが登場

 大分県別府市の「別府温泉 杉乃井ホテル」の大規模改装工事でいらなくなった座いすや釜飯の蓋などが、オオカミのオブジェに変身し、温泉などを備える杉乃井パレス1階にお目見えした。


アート作品を制作した加治さん

 オブジェは、長さ3.6メートル、幅1.4メートル、高さ1.7メートル。座いす42個や釜飯の蓋32個、固形燃料を置く木枠60個など、木製品を中心に使い、たてがみや尻尾は主にげたで表現した。

 同ホテルでは、閉館した本館や中館で50~60年間使っていた備品の処分が課題になっている。こうした備品をアート作品としてよみがえらせ、来館者にホテルの歩みや温泉旅館文化などを感じてもらおうと、新潟県を拠点にする作家・加治聖哉さん(29)に制作を依頼。ホテルを守ってくれるようにと、強いオオカミをモチーフにしてもらった。

 運営会社「杉乃井ホテル&リゾート」の奈良竜介さん(34)は「役目を終えた備品たちに新たな命が吹き込まれた。歴史を感じながらアートを楽しんでほしい」と話し、加治さんは「作品が、身の回りのものの再利用につながればうれしい」と語った。


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