福岡市のプロ野球・福岡ソフトバンクホークスが、本拠地のみずほペイペイドーム福岡と最寄りの市地下鉄・唐人町駅間の約1キロを「動く歩道」で結ぶ構想を市に提案している。駅からドームまでは徒歩で約15分かかり、周辺の交通混雑が課題となっている。ホークスは12月16日、市役所を訪れ、高島宗一郎市長に支援を要請。市長は「市にとっても改善は課題」として協力する意向を示した。
屋根付き1キロ
市交通局によると、ドームのイベント開催時、唐人町駅の乗降客数は最大約3万人となる。ドームに向かう幅3メートルほどの歩道を大勢が移動するため、付近では混雑し、車にも影響が生じている。
市は2024年、市内の交通課題の解決に向けて民間からの提案を募集し、ホークスがドームまでの動く歩道を提案。屋根付きの高架の上に動く歩道を設置することで、歩行者の移動を円滑にして混雑解消を図るほか、高齢者に優しく、雨天時もぬれないなど負担軽減も期待される。
ホークス側が建設し市には設置の許可と補助の検討を求めている。建設目標時期は未定という。
設置に課題も
設置には課題もある。歩道横にある雨水を博多湾へ排水するための下水路の上に作られる可能性が高いが、近年の豪雨を踏まえ、排水に影響がないかなど安全性への検討が必要になる。また、周囲の住宅のプライバシーへの配慮も求められる。
要望書を手渡したホークスの太田宏昭専務は「私たちだけではできない部分があり、市の協力をいただきたい」と説明。高島市長は「ドームまでのアクセス(改善)は市の課題だと認識している。今回の案が実現できるように、行政としてもできることについてしっかり協力させていただきたい」と応じた。







