【大分】日田「鯛生金山」の砂金掘り 体験料金値上げへ
金価格の高騰が続く中、大分県日田市が所有する同市中津江村の観光施設「地底博物館 鯛生(たいお)金山」は来場者に人気の砂金採り体験の料金を値上げする。砂金の仕入れ価格が金に連動して急騰しているためだ。市が11月25日、現在の830円を1500円を限度に引き上げるための条例改正案を12月1日開会予定の市議会定例会に提出すると発表した。
価格急騰 830円→1000円程度に
可決されれば、指定管理者の一般財団法人・中津江村地球財団が市と協議して新しい料金を決定する。同財団は限度額いっぱいに引き上げるのではなく、1000円程度にする方向で検討中だ。1か月程度の周知期間を設けるため、市は2026年1月下旬の改定を想定している。
金は「安全資産」と言われ、米トランプ政権の高関税政策や中東などの地政学リスクを背景に価格の高騰が続く。国内の店頭小売価格は25年9月に1グラムあたり2万円の大台を突破。10月以降も一時2万3000円を超えるなど高水準で推移している。
連動して砂金の仕入れ価格も上昇を続け、市によると、25年度は1万9965円。1998年度の15.4倍に跳ね上がった。
体験者 24年度は最多2万7574人
砂金採り体験には24年度、過去最多となる2万7574人が訪れた。それでも仕入れ価格の高騰が響いて経費が膨らみ、赤字に転落するリスクが高まった。今後の値動きが読みづらく、さらに上がる可能性もあることから限度額を高めに設定したという。
料金は22年4月に40円値上げして以降、23年7月と24年4月にもそれぞれ60円と50円引き上げて現在の830円にした経緯がある。山口幸生所長は「先行して値上げした関東の施設では、1000円でも厳しいと聞く。だからといって上げすぎると、お客さんが離れてしまう。(新料金の設定は)難しい判断になる」と話す。
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