【宮崎】テゲバジャーロがJ2初昇格! 5年目で悲願達成
宮崎県内に初めてJ2クラブが誕生することになった。12月14日に鳥取市のAxisバードスタジアムで行われたサッカーの明治安田J2昇格プレーオフ決勝で、テゲバジャーロ宮崎はFC大阪を4―0で下し、J3の年間4位からの昇格を果たした。J3参入5年目での悲願達成だ。
昇格PO決勝 FC大阪下す
FC大阪はJ3で年間3位と上位で、テゲバが昇格するには勝利が条件。テゲバはさらに、今季J3で25得点を挙げてリーグ得点王となったFW橋本啓吾選手が体調不良で欠場する厳しい布陣となった。
しかし、選手たちは序盤から躍動。29分にオウンゴールで先制し、42分にはFW吉沢柊選手がペナルティーエリア外から技ありのシュートで2点目を挙げた。後半に入っても勢いを持続。63分、相手のクリアボールをゴール前に詰めていたにFW武颯選手が押し込み、70分には右からのクロスをFW松本・ケン・チザンガ選手が豪快に頭で合わせて4点目を挙げた。
エース不在 新たな火
2023年はJ3で19位、24年も15位と苦しんだテゲバの選手たち。今季は序盤から勝利を重ねた。その中心にいた橋本選手を欠く決勝となったが、「いつも主役だった彼がいない中で『次の主役になる番だ』と新たな火がチームに生まれたと思う」とDF下川陽太選手。橋本選手と同じFWで、4点目を挙げた松本選手が「ハッシー(橋本選手)のためにも、使ってくれた監督のためにも結果を出せて良かった」と語ったように選手全体の底上げでJ2昇格をつかんだ。
FC大阪とは今季リーグ戦で2試合を戦い、ともに0―0で引き分けていたが、この日は抜群の得点力を見せた。3点目を挙げた武選手は「相手の選手の(攻撃後の)戻りが遅いので序盤からクロスボールを上げてどんどん攻めようと話していた。決められてよかった」と話した。
宮崎は九州・沖縄で唯一、J2以上を経験したクラブがない県だった。テゲバは2021年、県内初のJリーグクラブとしてJ3に参入。宮崎市と新富町、西都市をホームタウンとし、新富町のいちご宮崎新富サッカー場をホームスタジアムとしてJ2昇格を目指して戦ってきた。
就任2年目でクラブを悲願の昇格に導いた大熊裕司監督は「エース(橋本選手)の不在の中で『ハッシーのために』と戦ってくれた。プレーオフを勝ちきってきた経験はクラブを成長させてくれる。宮崎の皆さんにも助けられ、感謝しかない」と笑顔で話した。
「アウェーで一番の歓声」
決勝には宮崎をはじめ全国各地から多くのテゲバサポーターが駆けつけ、勝利が決まると喜びを爆発させた。
テゲバサポーターのコールリーダーを務めているという井上将裕さんは「昇格を見届けられて本当によかった。去年の前半は非常に苦しい戦いだったので、残留して応援に応えてくれた選手やスタッフに感謝したい。これほど多くのサポーターが来てくれて、アウェー(の試合ではこれまで)で一番大きな歓声が上がっていた」と声を弾ませた。




