子宝を願って奉納された人形が500体に 篠栗町にある桐ノ木谷子安観音
福岡県篠栗町に、たくさんの子どもの人形が奉納され、積み上げられている不思議な観音堂があるという。早速、向かってみた。
同町の桐ノ木谷子安観音は、深い緑に囲まれた山中に鎮座する。息を切らせながら急な階段を上ったところに、そのお堂はあった。安産祈願や子宝祈願に功徳があるとされ、100年以上の歴史を刻んできたという。
参拝者は祈願後に人形1体を受け取る。性別は選べない。自宅ではその人形を、ほんとうの子どものように大切に扱わなければならないという。子どもを授かったら、先に受け取っていた人形と、それに似た新しい人形のあわせて2体を奉納する。
お堂の人形の数は増え続けて今では約500体となり、本尊が見えないほどに。15年くらい前には、人形の重さで床が抜け落ちたことがあるという。
人形に名前を付け、着飾って、愛情を注ぐ――。念願の子どもを授かった後、人形と離れがたくなり、「どうしても返さないといけませんか」と涙ながらに尋ねる女性もいたそうだ。
たくさんの人形があることから、三浦光男住職は「心霊スポットのように言われることもありますが、ここは歴史ある神聖な場なので誤解しないで」と呼びかける。
口コミやネットで知られるようになり、海外から訪れる人もいるという。「なかなか子どもに恵まれなかった息子夫婦でしたが、無事赤ちゃんを授かりました」などと感謝のメッセージも届く。お堂ではお札やお守りも販売している。
問い合わせは、桐ノ木谷子安観音(092-947-1253)へ。