「大相撲展 福岡」も盛況開催中! 見どころ三選を紹介します

 大相撲九州場所で福岡の街は盛り上がっていますが、福岡県立美術館(福岡市中央区天神)で開催中の展覧会「大相撲展 福岡」も、相撲ファンらでにぎわっています。会期は12月1日(日)まで。県立美術館の学芸員に、見どころを三つ選んで紹介してもらいました。


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その一、角界の美「錦絵」

 大相撲展は全国7か所を巡回してきましたが、福岡でだけ見られるのが「錦絵」です。福岡は全国で唯一、会場に美術館が充てられており、美術品である錦絵の展示が可能になりました。
 浮世絵の中でも多くの色を駆使し、とりわけ華やかな錦絵。1700年代に、「錦絵の祖」と呼ばれた浮世絵師・鈴木春信が鮮やかな美人画や役者絵を描き、のちに数々の絵師が相撲を題材に作品を手がけました。歌川国貞の「三ツ鱗竜八」など人気力士を描いた錦絵は、今でいうブロマイドのような存在だったそうです。


歌川国貞が鮮やかに描いた「三ツ鱗竜八」

 やはり歌川国貞による「勧進大相撲興行図」は、土俵入りする力士を中心に、間近で取組を見ようと押し寄せた観衆が描かれ、その声援が聞こえてきそうなにぎやかさがあります。眼鏡をかけてじっくりと観戦する者、マス席で酒や弁当を飲み食いする者、相撲そっちのけで仲間との会話に興じる者など、思い思いに相撲を楽しむ庶民の姿が細かく表現されています。何より、相撲が身近な娯楽として、当時の人たちに愛されていたことが伝わってきます。


歌川国貞の「勧進大相撲興行図」

その二、郷土の星「魁皇」

 福岡会場には、直方市出身の元大関・魁皇(浅香山親方)の特設コーナーがあり、JR直方駅前に立つ高さ2メートル30センチの銅像「大関魁皇像」を試作した際のエスキースなどが展示されています。エスキース像では全盛期のダイナミックな肉体美を実感し、首から上の頭像では眉の一本まで細やかに再現した現役時の表情を知ることができます。
 制作した片山博詞さんは、人柄がにじみ出る魁皇のやさしい眼差しと、お腹まわりのプロポーションを大切にしたそうです。


JR直方駅前に立つ銅像に負けない迫力です


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その三、ド迫力の「VR」

 欠かせないのが、バーチャル・リアリティーで相撲を体感するVRのコーナーです。専用のゴーグルとヘッドホンをつけると、自分が土俵に立っているかのような映像が広がります。力士と行司、それぞれの目線で取組に没入できます。対象は小学生以上。立ち合いの瞬間、対戦相手の力士がものすごい勢いでぶつかってくる映像は大迫力です。現実ではないとわかっていても、体がのけ反ってしまいます。


VR相撲を体験するささっとー編集部の記者

 今回、「大相撲展 福岡」の招待券を5組(10名)にプレゼントします。ご希望の方は、ささっとーのTwitterをフォロー&リツイートしてください。



イベント名 大相撲展 福岡 Oh!SUMO EXHIBITION
開催日 2019年10月18日(金)~12月1日(日)
※月曜休館(11月18日は開館)
開催場所 福岡県立美術館(福岡市中央区天神5-2-1)
開催時間 10:00~18:00
入場料 一般 1300円/高校・大学生 1000円/小中学生 600円
公式サイト https://ohsumo.info

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