ブルトレの雄姿を未来へ 小学生と会社経営者が「二人三脚」で目標達成!

 福岡市の小学生と東京都の会社経営者が、貝塚公園(福岡市東区)に保存展示されているブルートレインの修復を目指してクラウドファンディングで寄付を募り、目標の500万円を上回る金額が集まりました。「歴史ある車両を未来に残したい」という2人の思いがかない、2020年1~3月に車両の修復作業が行われる予定です。


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高度成長期の日本を駆ける

 ブルートレインは、飛行機での移動が一般的でなかった時代に長距離区間を走り、日本の高度経済成長を牽引した寝台特急の愛称です。貝塚公園にある客車「ナハネフ22」は、1965年頃に博多―東京駅間を結んだ寝台特急「あさかぜ」に使われ、1970年代後半には門司港―西鹿児島駅(現・鹿児島中央駅)間の寝台急行「かいもん」としても活躍しました。


貝塚公園に保存展示されている「ナハネフ22」

 「ナハネフ22」は1987年ごろに廃車となり、今は貝塚公園と鉄道博物館(さいたま市)で1両ずつが一般公開されています。貝塚公園の車両は1990年、公園を管理する福岡市にJR九州から無償貸与されたものです。


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ナハネフ修復計画が始動!

 寄付集めに取り組んだ2人は、貝塚公園の近くに住む小学5年生の坂井利優(かずま)君と、東京で会社を経営する高橋竜さん。国鉄車両の熱烈なファンという高橋さんは、この「ナハネフ22」を2012年にも修復しています。外装や床が傷んでいることを鉄道雑誌で知った高橋さんは福岡市に連絡を取り、約350万円を提供して車両修繕に充てました。それをきっかけに福岡市が毎年2回、高橋さんをガイドに一般公開イベントを開くようになりました。


また傷みが目立つようになった車体

 小学校に入る前から貝塚公園のブルトレに興味を持っていた坂井君は、公開イベントに初めて足を運んだ際に車内の隅々まで見てまわり、鉄道技術者の手作業で仕上げられた「ナハネフ22」の魅力に引き込まれました。以来、イベントに欠かさず参加するようになり、2018年10月のイベントで、一度はよみがえった車両の劣化がまた進んで深刻な状況にあることを知りました。そこで「ナハネフを守るために何か手伝えませんか」と、勇気を出して高橋さんに申し出たそうです。

全国から600人以上が支援

 坂井君は続く2019年3月と10月の公開イベントに自前の車掌服を着て参加し、ナハネフのガイドも務めました。高橋さんは9月、寄付を募るサイトのページを鉄道好きの仲間とともに開設しました。坂井君は手書きメッセージ入りのポスターを準備し、貝塚公園に貼って協力を求めました。


「READYFOR」のサイトに掲載した坂井君と高橋さんの写真

 11月29日を最終日として協力を呼びかけたクラウドファンディングには、全国の鉄道ファンら600人以上から560万円を超える支援が寄せられました。専門業者に依頼して車両の外装などを塗り直す修復費用は総額800万~1000万円になる見込みで、不足分は高橋さんが負担するそうです。
 坂井君は「きれいになったナハネフを多くの人に見てもらいたい」と笑顔を見せ、高橋さんは「車両を長く保存できる方法を模索していきたい」と話しています。

 高橋さんらがつくった「ナハネフ22 1007修復プロジェクト委員会」は活動状況を委員会のfacebookで紹介しており、今回のクラウドファンディングとは別に、ナハネフを次代に残す募金を常時受け付けています。 


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