まだまだ楽しめます!竜王戦福津対局の「勝負めし」に熱視線

 福岡県福津市で11月に行われた第35期竜王戦七番勝負の第5局で、「勝負めし」などとして提供された地元グルメの人気が高まっています。対局後、メニューを提供した店舗への問い合わせが増え、売りきれるケースも出ているようです。市や「ひかりのみちDMO福津」などでつくる福津対局実行委員会は「竜王戦は終わっても、福津のおいしいものはまだまだ楽しめます」とアピールしています。

あえて"専用"は作らず

 「竜王戦用のメニューは、あえて作りませんでした」と、実行委事務局の中村涼佳さんは明かします。玄界灘に面した福津には海鮮グルメなどがそろっており、「いつでも、おいしいものがふんだんにある街」と、棋士に十分満足してもらえるとの思いがあったそうです。


実行委が用意したパンフレット。「勝負めし」「勝負おやつ」は各10品を掲載(メニューなどの画像はいずれも福津対局実行委員会提供)

 今回、市内の飲食店がフェアで提供したメニューなどの中から、「勝負めし」10品、「勝負おやつ」10品、「勝負ドリンク」7品を選定。藤井聡太竜王と広瀬章人八段は対局前の11月24日、計27品を掲載したパンフレットの中から、2日分で昼食2品、おやつ・ドリンク8品の計10品をそれぞれ選びました。


「勝負ドリンク」は7品


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両者ともに選んだのは⁉

 藤井竜王と広瀬八段がともに選んだのは、おやつ2品とドリンク3品でした。

勝負おやつ

光の道 マンゴーバウムクーヘン

<藤井竜王2日目、広瀬八段1日目>「光の道」にちなみ、鮮やかなマンゴーイエローで夕日を表現

鯛もなか

<藤井竜王、広瀬八段とも1日目>名物の鯛をかたどった人気商品。ベージュは黒あん、ピンクは白あん

 鯛もなかを製造販売する「菓子舗 さゝ舟(ささぶね)」には、東京や神奈川、愛知などからも注文が入り、普段は行わない配送で対応。遠方からの客も増えたそうです。あんこから手づくりし、数に限りがあるため、店頭では売りきれることも。同店は「お二人に選んでいただいて、とても光栄です」としています。 

勝負ドリンク

光の道 シトラスピーチティー

<藤井竜王、広瀬八段とも2日目>光の道をオレンジジュース、福津の夕暮れをピーチティーで表現


福津あまおうのいちごみるく

<藤井竜王1日目、広瀬八段2日目>福津産あまおうの手作りジャムに、濃厚な牛乳と練乳でほんのり甘さを追加


宮地嶽神社エール

<藤井竜王2日目、広瀬八段1日目>ジンジャー味のさわやかドリンク


 「光の道 シトラスピーチティー」と「福津あまおうのいちごみるく」を提供する「津屋崎千軒 なごみ」では、「竜王戦で(2人が)飲んでたやつじゃない?」「じゃあ、これにしよう」などと話す来店客の姿がしばしば見られるそうです。


「勝負めし」は2者2様

 昼食の勝負めしは、10品から2品ずつ選ぶとあって、2者で異なる選択となりました。1人だけが選んだ勝負おやつ、勝負ドリンクも併せて紹介します。

藤井竜王の勝負めし

博多和牛ハンバーグと福津野菜のグリルランチ

<1日目>博多和牛を100%使ったハンバーグで、全国品評会で2年連続金賞受賞。市のふるさと納税でも人気

旬のお寿司 おまかせ握り

<2日目>漁港からその日に届くネタで握る。店で食べるとカウンターは目の前が海


光の道チョコムース

<1日目>鳥居と太陽をチョコで作り、光の道を金箔(きんぱく)で表現。みかんジャム入り


あんずサイダー

<1日目>福津産あんずの実を使い、さわやかなのどごしに仕上げた


アイスコーヒー

<2日目>福津市の「Withcoffee」が提供

広瀬八段の勝負めし

光の道の豪華海鮮丼

<1日目>旬のとれたて10種の魚介と温泉卵が光の道を表現

玄界灘天然真鯛(まだい)の鯛茶づけ

<2日目>玄界灘の天然真鯛を使った鯛茶づけ


光の道サンセット

<2日目>光の道に差し込む夕日をイメージ。トロピカルフルーツのムースに真っ赤なブラッドオレンジゼリーが入っている


光の道 ハニ―ピーチ パンナコッタ

<2日目>福津産のはちみつと桃を使って光の道を表現。もっちりしたパンナコッタはなめらかな口溶け


光の道 フラワーハーブティー

<1日目>無農薬有機栽培のエディブルフラワー(食べられる花)で作ったハーブディー。レモンをしぼると、たそがれ色に変化する

選ばれなくても美味!

 実行委によると、パンフレットで紹介した品々はいずれも「自信を持ってお薦めするメニュー」とのこと。両棋士には選ばれなかったものの、一覧を見た市民らが来店するなど、利用が増えているそうです。

 なお、勝負めし10品は、「実はイカどころ」である福津市などをPRしようと11月に初開催されたフェアで提供されるなど、海鮮を中心に地元の素材を使ったものが並びます。勝負おやつ10品は、10~11月に市内で開催された「光の道開運スイーツフェア」に合わせて開発されたものを中心にラインアップ。勝負ドリンク7品も、地元の素材を使ったものなどを集めています。


光の道(提供:ひかりのみちDMO福津)


 熱戦の舞台となった宮地嶽神社は「何事にも打ち勝つ開運の神」として信仰を集めています。実行委の中村さんは「開運につながる勝負めしとして、お二人の思い出になればうれしいです」とし、「竜王戦を機に各店への反響もあり、今後もぜひ福津に足を運んで、食べたりお土産にしたりしていただければ」と話しています。


 候補となった全27品は、特設ページでも紹介。実行委は「提供時期などは各店に確認してほしい」としています。


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