あの銘菓のミニチュアが写真集に 作家・みすみともこさんにインタビュー

記事 INDEX

  • 全国34の銘菓が小さくなって一冊に
  • 見た人が楽しめるものを作りたい
  • 12月7日に発売記念イベントを開催

 博多通りもん、めんべい、二〇加煎餅……。福岡をはじめ全国34の銘菓のミニチュアが大集合した写真集「日本一小さな手土産の世界 みすみともこの手土産ミニチュアコレクション」が11月30日に出版されました。福岡県在住の作家・みすみともこさんに、指先にのるほど小さく緻密なミニチュアの世界について話してもらいました。(文:宮本昌美、撮影:田中勝美)



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みすみともこさん

福岡県久留米市在住。Instagramのフォロワー数13万人を超える人気ミニチュア作家。2019年2~3月に「旧福岡県公会堂貴賓館」で作品の展示会を行い、約2000人が訪れた。

作品が生まれる現場

――ミニチュアを作り始めたきっかけは?

 20数年前、テレビで「ドールハウス選手権」の番組を見て、趣味の範囲で和菓子屋やドールハウスなどを作るようになったんですが、仕事が忙しくて離れていました。10年前に、友人からドールハウスの展示会に出展しないかと声をかけてもらったのが再開のきっかけですね。

――そこからまたドールハウスを作り始めたんですね。

 いえ。ミニチュアフードに切り替えました。ドールハウスもかわいいのですが、作るのに時間がかかる分、思い入れが強くなりすぎてしまうんです。ミニチュアフードなら瞬発力で見た人それぞれのストーリーを想像してもらえ、多様性があると思いました。



――今回の本は、ご当地の手土産がテーマです。パッケージまで精巧に再現していますね。実在する商品のミニチュアは、作るのが一段と難しいのでは。

 そうですね。正解があるので、忠実にしようとするとお菓子のしっとり感やサクサク感、印刷物の文字サイズやインクの色など、細かいところまでこだわりたくなります。私、紙袋がすごく好きで、ミニチュアで表現したくなるんですよ。そうすると中の化粧箱や個別の包装も作りたくなるんです。そこで、どれだけ自分の力を発揮できるか、挑戦できるのが楽しいですね。


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――作品はどんな環境で作っているのですか。

 自宅の一角を作業スペースにしています。家事を済ませて、夜の静かな時間に作業をすることが多いですね。材料も樹脂粘土やレジン、ピンセットなど、定番のものばかりで、特殊なものはありません。ただ、身の回りにあるものは「あれは使えるんじゃないか…」と、つい考えてしまいますね。



――今回の作品で苦労した点は?

 全部難しかったかな。簡単なものは一つもありませんでした。作り方が決まっていないものを、どうすればできるか一から考えるときが大変です。特に、パッケージ作りは手法が流通していないものがたくさんあるんです。例えば、透明のシートに白いインクで印字をしたいとき、家庭用プリンターでは印刷に限界があるので、出力したものに手書きで塗料をのせたりもします。



――いくつもの工程を踏んで作っていくんですね。

 お菓子の材料となる樹脂粘土は、乾かすと水分がとんで少し縮みますし、色も濃くなるんですよ。それらを計算した上で作り始めないと、完成した際にお菓子の色が本物と違ったり、作っておいた箱に収まらなかったりします。どうしても気になって、撮影の前日に全部作り直した作品もありました。お菓子メーカーの方々は、丁寧に思いを込めて商品を作っていると思うので、そこは妥協したくないところなんです。



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