デーモン閣下が福岡県庁で訴えた「上手な医療のかかり方」
記事 INDEX
- 白衣の「悪魔」が医療まもる
- 福岡県も取り組みアピール
- かかりつけ医を持たんと!
医療現場の負担軽減や患者のスムーズな受診につなげようと、国の「上手な医療のかかり方」プロジェクトの一環で、アーティストのデーモン閣下が12月19日、福岡県庁を訪れました。服部誠太郎知事と対談し、国、県の互いの取り組みをPRしました。
白衣の「悪魔」が医療まもる
デーモン閣下は2012年度から広島県でがん検診の啓発に携わるなど医療との関わりがあり、プロジェクトがスタートした19年度から「上手な医療のかかり方」大使を務めています。「『悪魔』が白衣を着ればインパクトが大きい」(国側の担当者)と、特注の白衣姿で活動しています。
服部知事と面会したデーモン閣下は最初に、プロジェクトの趣旨を説明。「医師の長時間労働などは以前から問題だったが、コロナ禍で医療現場はさらに切迫した状況だ」などと話しました。
時間外や土日・祝日の緊急受診が医療現場の負担を増やすことに触れ、「まず、かかりつけ医を持つことが重要」と強調。「我が輩は悪魔だが、人間の体を借りている」とし、かかりつけ医で健診結果から数値の異常を見つけてもらい、専門医の診察につなげた自身のエピソードも明かしました。
閣下は「かかりつけ医を持つことで、専門医に行くべきか、経過観察でいいか、といった相談もできる。自分や家族のデータを踏まえたアドバイスをもらえる」と患者側のメリットを紹介。こども医療電話相談「#8000」などの活用促進も訴えました。
福岡県も取り組みアピール
「悪魔に名刺を渡すのは初めて」と、デーモン閣下の訪問を歓迎した服部知事。自身の母がかかりつけ医で大病を見つけてもらい、紹介先の専門医で治療した経験を話し、「かかりつけ医は相談しやすく、患者さんのデータも普段からお持ちで非常に重要」と応じました。
福岡県の取り組みとして、かかりつけ医をまだ持たない人の役に立つ「ふくおか医療情報ネット」を設けていることを紹介しました。
また、救急車を呼ぶべきかどうか迷う場合などの電話相談「#7119」を県単位で導入していることなどを説明。この相談サービスを都道府県単位で導入したのは全国3番目で、九州では唯一とのことです。
かかりつけ医を持たんと!
対談の締めくくりに、閣下は「自分の身体も大事だが家族の健康も大事だ。『かかりつけ医』を持たんといかんとよ!」と、県民に送る博多弁混じりのメッセージを披露しました。
知事は「目指せ10万100歳!」のメッセージで“応戦”。閣下の年齢「10万60歳」にちなんだもので、「デーモン閣下の教えをしっかり受け止めて上手に医療にかかり、食生活の改善や運動習慣の向上にも努めて、健康寿命を延ばしたい」と話しました。
なお、デーモン閣下は、福岡には30回以上訪れたことがあり、「かかりつけ医じゃないが『かかりつけレストラン』のような食事場が増えている」とのことです。
医療関係の大使を引き受けている理由については「我々、悪魔は基本的には人間を不幸にするために存在しているが、人間がある程度元気でいてくれないと、やりがいがない」と説明しています。