春を迎えに海の中道へ 心弾む黄色!早咲きの菜の花が一面に
一面に敷き詰められた黄色いじゅうたん。福岡市東区に広がる国営海の中道海浜公園で、春を告げる菜の花が早くも満開となっている。
4品種が順番に開花
園では、菜の花のほか、寒い時期に開花するアイスチューリップやスイセン、梅も見頃を迎えた。一足早く春色に彩られた園内では、訪れた人たちが花々を写真に収める姿が見られる。
大地、青空、そして春の香りと気配まで、すべてを写真一枚で表現できたなら。そんな欲張りな思いから、全方位を撮影できる360度カメラを、長さ3メートルの一脚に取り付けて菜の花畑を撮った。
まるで”春の海”を泳いでいるかのようだ――。頭上のカメラから手元のスマートフォンに送られてくる画像を見て、想像が膨らんだ。
菜の花は3月頃に咲いているイメージだが、まだ寒い今の時期になぜ? 園によると毎年11月頃、早咲きから遅咲きのものまで4品種の種を混ぜ、約1500平方メートルの敷地に一斉にまくのだという。
品種は、「伏見寒咲」「花かんざし」「花ぐるま」、そして「花まつり」。それぞれ開花時期が異なるため、1月から3月末にかけて15万本が入れ替わりに花開き、長い期間にわたって楽しめるそうだ。
春の訪れを待つ人たちに「一足早く春の雰囲気を届けたい」と、園では20年以上前から早咲きの菜の花の栽培を始めた。来園者からは「長い間、菜の花を楽しめるのでありがたい」といった声が寄せられるという。
現在は、2番目に開花する「花かんざし」が見頃を迎えている。
桜も加わり春満開へ
花畑といえば、まず思い浮かぶのはチョウやミツバチといった昆虫。蜜を求めて花から花へと飛ぶ姿を探してみたが、見つけたのは「絵的」にはいま一つの黒い虫だけ。園の担当者に聞くと、春の昆虫が活動を始めるには、まだ気温が低いようだ。
「ここ、めっちゃ春じゃない? 超きれい!!」。菜の花畑に響いた黄色い声の主は、福岡市早良区からカップルで訪れた大学生の女性(19)だった。春の気配に心が弾むのは、だれもが同じなのだなと思った。
菜の花の”リレー”の最後は遅咲きの「花まつり」。3月半ば以降は、早咲きの桜「オオシマザクラ」との競演が楽しめるという。来園者も増え、園内は「春満開」に。その頃には、陽気の中をチョウやミツバチが飛び回る写真を撮れることだろう。