博多の特別な日に 会食で披露宴で笑顔が集う「灯明殿」オープン

ガラス張りの壁面から明かりがもれる灯明殿

記事 INDEX

  • 櫛田神社隣の「迎賓館」
  • 歴史と文化かおる内装
  • 食と日本酒を楽しんで

 福岡市博多区の櫛田神社隣に、会食や結婚式の披露宴などに利用できる新たな施設「宮前迎賓館 灯明殿」が完成しました。地元の石蔵酒造が完全予約制で運営します。宴会部門はプレオープンしており、4月からはウェディングの営業が始まります。

櫛田神社隣の「迎賓館」

 灯明殿は鉄骨造り4階建てで、延べ床面積約1250平方メートル。石蔵酒造と櫛田神社が所有する約320平方メートルの敷地に、両者が共同で建設しました。施設の一部は櫛田神社が区分所有し、神事などに使われます。

 神社にささげる”灯明”をイメージしたという建物は、外壁のほとんどがガラス張りです。夜になると施設全体が淡い光を放ち、街を照らします。屋根は銅板ぶきで、すぐ隣に立つ神社北門のシルエットと調和した造りになっています。


櫛田神社の北門(手前)に調和した造りの屋根

 石蔵酒造は博多区堅粕に「博多百年蔵」を構える老舗。酒造りの伝統を守りながら、改装した蔵で開く歓送迎会や忘年会、飲食、ブライダルなど新たな事業にも取り組んできました。

 同社の石蔵利憲専務は「神社に隣接する由緒ある地を、地元や県内外の人たちが集まる交流の場にしていきたい」と、灯明殿への思いを語ります。


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歴史と文化かおる内装

 灯明殿は16~100席規模の四つの宴会場を備えています。床から天井まで障子が張られた部屋には柔らかい日の光が差し込み、内装は歴史や文化を表現した意匠が施されています。

若水(16席)

 透き通った水のような空間を表現した部屋。ステンレスの板を張った壁に、障子から取り込んだ光が水面のようにぼんやりと反射します。博多伝統工芸の水引で、月桂樹(げっけいじゅ)をモチーフにした作品が飾られています。


入り舟(24席)

 この場所がかつて博多湾の入り江であったことにちなんで設計しました。天井や壁の漆喰(しっくい)は、左官職人がさざ波のように凹凸を描いて仕上げました。正面には、シイの木を特殊なノミで削って波のゆらぎを表現した壁画が飾られています。


銀杏(40席)

 障子を開けると正面に櫛田神社の銀杏、左脇には神社北門が顔をのぞかせ、境内の景色を思い思いに切り取って楽しめるそうです。中央奥にある高砂席の背面には、しだれ銀杏の図柄にレーザーで加工した真鍮(しんちゅう)の板が配置されています。


清道(100席)

 披露宴ができる広さで、天井は中央部を三重に高くした格式高い造りです。照明は縁起の良い麻の葉模様を大川組子で施しました。壁は有明海の貝殻を焼いて混ぜた貝灰漆喰で、神社仏閣などの魔よけに用いられてきた猪目模様を彫り込んでいます。


食と日本酒を楽しんで


提供される料理のイメージ(石蔵酒造提供)

 灯明殿では、施設の調理場で同社の板前らが腕を振るった会席料理を提供します。税込み7700円(平日限定)から1万2100円まで3コースを用意。ビール、焼酎、ソフトドリンクに加え、酒蔵ならではの日本酒の飲み放題付きです。


真新しい調理場

 同社は新たにスタッフを雇うなどし、博多百年蔵と合わせて40~50人の態勢で料理を提供していくといいます。


「交流の場に」と語る石蔵専務

 「人が集まって、喜んだりお祝いしたりする場で日本酒を楽しんでもらいたい」と石蔵専務。「特別な日が一生の思い出となるよう心を尽くしておもてなししたい」

【宮前迎賓館 灯明殿】
 所在地:福岡市博多区上川端町1-35
 営業時間:11:30〜22:00
 問い合わせ:092-710-4305(電話受け付けは11:00~18:00)
       



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