障害者が働く場を増やしたい!冷凍食品自販機の設置場所を拡大中

 就労継続支援事業所などを運営する一般社団法人「社会福祉支援協会」(福岡市博多区)が、事業所の利用者が作った冷凍食品を取り扱う自動販売機の設置を進めている。コロナ禍による冷凍食品需要の高まりを背景に、販売網を拡大させて障害者の雇用増加などにつなげる狙いだ。

「おいしい」「安心」の声

 福岡市東区の「イオンモール香椎浜店」1階に協会が設置した自販機には、大学芋(430円)や台湾カステラ(990円)、ごま団子(430円)などが並ぶ。いずれも協会が支援する障害者が働く工場で製造されたもので、国産食材使用、無添加が特徴だ。

 パッキングされ、自然解凍で食べることができ、「ほどよい甘さでおいしい」「子どもにも安心して食べさせられる」などと好評という。


社会福祉支援協会が設置した冷凍食品の自販機(福岡市東区のイオンモール香椎浜店で)


 協会は福岡県内で就労継続支援事業所6施設を運営し、軽度の知的障害がある利用者ら約180人が職業訓練を受けている。利用者の就労先を確保するため、協会は2020年以降、M&Aで食品製造会社2社をグループに加え、新たに冷凍食品の製造にも乗り出し、21年11月には宇美町に冷凍食品専門店をオープンした。


 現在、4施設の約20人が2社の工場で職業訓練を受けているほか、これまでに利用者9人が2社に就職するなど、雇用にもつながっている。

「収益を上げて好循環に」

 折しも長引くコロナ禍で冷凍食品の需要は拡大。一般社団法人「日本冷凍食品協会」の統計によると、家庭用の冷凍食品の生産量は21年に前年比3.6%増の約80万トンとなり、調査開始以来最多となった。

 社会福祉支援協会は、この機にさらなる販売網の拡大を図ろうと、昨年11月に飯塚市の商業施設に第1号の自販機を設置し、1月までに県内5か所に拡大させている。売り上げは多い場所で月に20万~30万円に上るといい、「商品を取り扱いたい」といったフランチャイズの打診も10件程度受けているという。

 協会の島野広紀代表は「設置が増え、収益が上がれば雇用がさらに生まれる良いサイクルができる。ニーズに合わせた新商品開発なども積極的に行い、全国展開も目指していきたい」と話している。

<社会福祉支援協会の自販機設置場所> 
▽イオン穂波ショッピングセンター(飯塚市)▽イオン福岡東ショッピングセンター(志免町)▽イオンマリナタウン店(福岡市西区)▽天神親不孝通り(中央区)▽イオンモール香椎浜店(東区) 


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