気分は冒険家!平尾台に登場したアスレチック施設で自然とあそぶ

カルスト台地の地形を利用したボルダリングを楽しむ子どもたち

記事 INDEX

  • 子どもが本気で遊ぶ場所
  • 石灰岩でボルダリング!
  • 家族の笑顔が弾ける一日

 日本三大カルストの一つに数えられる平尾台の自然体験型公園「ソラランド平尾台(平尾台自然の郷)」(北九州市小倉南区)に、アスレチック施設「平尾台アスレ」が4月下旬にオープンした。「雄大な自然の中で思い切り遊べる」と評判が広がり、休日には山口県や大分県などからも家族連れらが訪れる人気スポットになっている。

子どもが本気で遊ぶ場所


白い石灰岩の斜面が一面に広がる


 白い羊が群れをつくっているような「羊群原」と呼ばれる石灰岩の眺めが美しい平尾台。「子どもたちが本気で遊べる施設を」と整備された平尾台アスレは、約1万平方メートルの広々とした敷地に、山の斜面を利用して約50基の遊具が点在する。


施設には約50基の遊具が点在。順路はなく興味の赴くまま楽しめる


 それぞれの遊具を楽しみながら、じっくり回ると1時間ほどかかるという。「街なかの公園の遊具が少しずつ減っている中、ここではヘルメットを着けて、少々むちゃをしながら冒険心いっぱいに遊べますよ」と園の担当者。今後も平尾台ならではの遊具を増やしていくという。


子どもたちの歓声が一日中響く


 「カルストを間近に見ながら体を動かして遊べるのは斬新」「ヘルメットをかぶって子どもと一緒に夢中になれる機会はなかった」と利用者から喜びの声が上がる。


石灰岩でボルダリング!


丸みを帯びた石灰岩をよじ登る


 たくさんの遊具の中で一番の人気は、地表に露出した石灰岩にカラフルな突起をつけたボルダリングの壁だ。高いもので3メートルほどあり、子どもたちが悪戦苦闘しながら、巨大な岩によじ登ろうとする姿が見られる。


巨大な石灰岩の壁を軽やかに登っていく


 「巨大な石灰岩でボルダリングを楽しめるのは、おそらく全国でもここだけでしょう」と園の担当者は胸を張る。


 「空気がいいですねぇ」と背後から声をかけてくれたのは、新聞の地域面を見て開業を知り、福岡県久留米市から訪れたという原一正さん(59)だ。


平尾台の雄大な自然が目の前に広がる


 「街なかの騒がしさから離れて、緑に囲まれた大自然の中で子どもを遊ばせたい」と家族4人でやって来たという。


澄んだ空気の中で、全身を使って遊べる


 平尾台といえば、50年ほど前に見た鍾乳洞のイメージしかなかったそうだ。「一日では遊びきれないほどの一大ワンダーランドに変わりましたね」。斜面を駆け回る小学5年の息子、純平君(11)についていくのを諦め、ベンチに座って一休みしていた。


360度の自然が広がる平尾台


 しばらくすると一正さんの元へ純平君が駆け寄ってきた。「学校や公園にはない、自然を生かした遊具がたくさんあって楽しい」と声を弾ませる。「室内でのボルダリングはやったことがあるけれど、本物の岩でチャレンジしたのは初めて。どう体を動かせば良いのか迷って難しかった」。額に汗を光らせ、また草原へと走って行った。


カメラマンのお父さんも必死


家族の笑顔が弾ける一日

 帰り際、話を聞かせてもらったお礼に「記念写真を撮りましょうか」と聞いてみると、「家族での写真があまりないので、ありがたいです」と一正さん。カメラを構えたら、リクエストもしていないのに、一人ひとりが元気いっぱいにポーズを取ってくれた。一家が見せる満面の笑みに、シャッターを切る私のほおも思わず緩む。


元気いっぱいにポーズを取ってくれた


 画面を確認すると、こちらも幸せになるような”家族の1枚‟があった。これは、きょう一日を象徴する1枚だ。「この写真、サイトで紹介してもいいですか」。家族の背中に声をかけた。「もちろんです!」。心がほっこり温かくなる初夏の休日になった。


周囲の絶景を見渡しながら楽しめる


 施設があるソラランド平尾台は、ちょうど20年前に開園した。陶芸工房や飲食施設などがあり、最近は、平尾台の地形を生かした西日本最大級のドッグランやキャンピングカーでの宿泊に対応した「RVパーク」、コンテナカフェなども新しくオープンした。子どもから大人まで、それぞれの楽しみ方ができると人気が広がっている。


駐車スペースを備えたキャンプ場も


 ソラランド平尾台は入園無料で火曜休園。平尾台アスレの利用料は中学生以上800円、小学生400円。遊具を楽しむにはヘルメットが必要で、貸し出しも行っている。


田植えが終わった田んぼに映る平尾台の山々


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