「箱崎小町」知っとぉ? 福岡市のレア作物がピエトロのパスタに

期間限定メニュー「箱崎小町と紅ずわい蟹のペペロンチーノ」(左)とピザ「ねぎとひき肉」(提供:ピエトロ)

記事 INDEX

  • まずは食べてみて
  • 青ネギとトマトを
  • 満場一致で採用!

 「食べてみるとおいしい」「実は福岡市内で育ててます」――。そんな農産物をPRしようと、福岡市中心部にあるレストラン「ピエトロ」の3店舗で2月1日から、市内農産物を使ったメニューが期間限定で登場しました。関係者は「生産者の思いとともに、おいしさを広く知ってもらえる機会になれば」と期待しています。

まずは食べてみて

 限定メニューは、福岡市による地元農産物の消費拡大策の一環で誕生しました。

 同市では2015年からホームページ「ふくおかさん家(ち)のうまかもん」で地元産品をPRしていますが、今回は期間限定でのメニュー化を市内の飲食店に打診。実際に消費者に食べてもらい、食味のよさや生産者の思いを感じてほしいと企画しました。


「ふくおかさん家のうまかもん」のトップページ

 第1弾として23年10~12月、福岡市南区のABURAYAMA CHEESE STANDで「博多しゅんぎく」など4種類を使った限定グルメを販売したところ、好評だったそうです。


advertisement

青ネギとトマトを

 第2弾のピエトロでは、青ネギ「箱崎小町」と「元岡トマト」の二つを使用したメニューを提供しています。

箱崎小町


箱崎小町(提供:福岡市)

 市によると、同市東区の箱崎地区には1950年代頃、160軒もの農家がありましたが、都市化が進んで大幅に減少。現在、箱崎小町を栽培しているのは2軒のみです。

 住宅街にあるビニールハウスで水耕栽培し、年間を通じて出荷。濾過(ろか)したこだわりの水で育てる青ネギは、辛みやクセが少なく、さわやかな風味が広がります。

元岡トマト


元岡トマト(提供:福岡市)

 酸味と甘みのバランスが良く、ゼリー部分もしっかりとしていて調理しやすい大玉タイプのトマトです。

 火山礫(れき)を敷き詰めた「礫耕(れきこう)栽培」という、全国的にも珍しい方法でも育てられています。出荷期間が9月上旬~翌年6月末と長いのも特徴です。


箱崎小町(左)、元岡トマトをPRする生産者(いずれも福岡市提供)

 生産者たちは「この機会にぜひ知ってもらい、食べてほしい」、「有名店の料理に使ってもらえてうれしい」とコメントしています。

満場一致で採用!

 2月1~29日には、箱崎小町を使って新たに開発されたパスタ1品が登場。また、この期間に限り、箱崎小町と元岡トマトが人気の既存3メニューに使用されます。


「箱崎小町と紅ずわい蟹のペペロンチーノ」(メニュー画像はいずれも福岡市提供)

 新開発メニューは「箱崎小町と紅ずわい蟹(がに)のペペロンチーノ」(税込み1408円)。冬の味覚の蟹と合わせつつ、箱崎小町のほどよい甘みと食感が引き立つよう、ソースではなくオイルベースのペペロンチーノに仕上げたそうです。

 箱崎小町は生でもおいしいため、火を入れすぎないように調理。ピエトロの広報担当者は「青ネギが主役のペペロンチーノという意外性もあって、社内プレゼンでも満場一致で採用が決まった」と明かします。


「ねぎとひき肉」

 このほか、既存メニューのピザ「ねぎとひき肉」(1298円)に箱崎小町、「トマトとモッツァレラの糸引きスパゲティ」(1188円)と「マルゲリータ」(1408円)に元岡トマトが用いられます。


「トマトとモッツァレラの糸引きスパゲティ」


「マルゲリータ」

 提供する3店は、天神の「ピエトロ本店 セントラーレ」(ピエトロビル1階)と「洋麺屋ピエトロ ソラリア店」(ソラリアプラザ6階)、博多区の「ピエトロ キャナルシティ店」(キャナルシティ博多・ノースビル地下1階)です。メニュー表で、それぞれの野菜の特徴や生産者の思いも紹介しています。


箱崎小町などを紹介するメニュー表(提供:ピエトロ)


 福岡市の担当者は「都市化が進む福岡市でも、農業が大切に受け継がれていることを知って、愛着を持って地元産品を選び、食べてもらえたらありがたい」と話しています。


advertisement

この記事をシェアする