進路の選択肢に 女性エンジニアの活躍を福岡県が動画で紹介

 福岡県は、ものづくりの現場で活躍する女性エンジニアの姿を紹介するPR動画を制作し、県の公式YouTube「福岡テックチャンネル」で公開しています。女子中高生らに理系職場の魅力や働きがいを伝え、テクノロジー分野への就職を促したい考えです。

やりがいをホンネで

 動画は、県内の自動車産業、半導体・デジタル分野などで働く女性を取り上げ、それぞれ5分程度にまとめています。気軽に見てもらうため、軽快な歌に乗せてミュージックビデオ(MV)風に仕上げました。エンジニアとして歩み始めた"先輩"の一日をイメージしやすいように編集し、仕事のやりがいや楽しさなどをホンネで伝えています。

 県技術人材育成室によると、近年は理系離れが進む一方、九州では台湾の半導体製造大手・TSMCの進出などに伴い関連産業の集積が加速し、人材の獲得競争が激化しているといいます。

 県内でも技術者が不足している状況で、担当者は「動画を見て福岡県で働きたいと思ってくれる人が増えたらうれしい」と話します。

頑張る姿をリアルに

 動画は出勤風景から撮影が始まったり、仕事の様子に密着したり、技術の現場で働く女性の姿にリアルに迫っています。

 自動車編に登場するダイハツ九州のエンジニア・田尻江里菜さんは、エンジン製造で使う工具を調整する担当で、1000分の1ミリ単位で機械を操作します。動画では「女性も活躍でき、とてもやりがいがある」とメッセージを寄せています。


ダイハツ九州のエンジニア・田尻江里菜さん(福岡テックチャンネルより)

 半導体編では、三菱電機で半導体部品などの開発をする松岡実李さんが仕事の内容を紹介。人々の暮らしを支える半導体の重要性に触れ、「エンジニアは、ものをつくるときの根幹に携わることができる」と仕事の醍醐(だいご)味を語ります。


三菱電機のエンジニア・松岡実李さん(同)

 このほか、TOTOでウォシュレットやトイレタンクの改良などに取り組むエンジニア2人を取材した動画も公開しています。

 県の担当者は「一般の人の目に触れることのない分野がたくさんあり、そこで仕事に打ち込んでいる女性がいることを広く知ってほしい」と話しています。


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