福岡市・天神の新しい顔「ワンビル」が完成 4月に開業へ!

完成したワンビル

記事 INDEX

  • "ど真ん中"からの眺望
  • 交流促す「創造交差点」
  • 災害時も頼れる存在に

 福岡市・天神の"ど真ん中"で4月に開業する予定の大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」が完成し、事業主の西日本鉄道(福岡市)は1月17日、竣工(しゅんこう)式を行いました。式に合わせて開かれたメディア関係者向けの内覧会に参加し、福岡タワーやアイランドシティまで見渡せる高層ビルのすごさの一端に触れました。

"ど真ん中"からの眺望


市の再開発促進策「天神ビッグバン」の中核に位置づけられるワンビル(右)

 ワンビルは、天神交差点にある福岡ビル跡に誕生。天神コアと天神ビブレの跡地を含む約8600平方メートルの敷地に建てられた地上19階、地下4階、高さ約97メートルのビルで、延べ床面積は約14万7000平方メートルに上ります。総事業費は約900億円と、原材料費や人件費の高騰などから当初の見込み(約800億円)を上回りました。


ワンビルの主なフロア構成(提供:西日本鉄道)


 地下3、4階は駐車場、地下2階~地上5階は物販・飲食店、6、7階は交流イベントなどが催されるスカイロビー、8~17階はオフィス、18、19階はホテルが入ります。


 公開されたのは、17階のオフィスフロアと、6階のスカイロビーのほか、一部の防災設備です。


賃貸オフィスのフロアとしては西日本最大級の規模

 17階はオフィスフロアの最上階で、共用部分を除いて約4600平方メートルと、賃貸オフィスの1フロアの面積としては西日本最大級とのこと。サッカーコートほどの広さがあるそうです。


みずほペイペイドーム福岡や福岡タワーが見える

 印象的なのは、その眺望です。床面が地上から約76メートルの高さで、西側は福岡タワーやみずほペイペイドーム福岡、北側は博多ポートタワー、その先にはアイランドシティに立つ高層マンション群まで見渡せます。東側は、福岡市役所の向こうにキャナルシティ博多が見えました。


市役所越しにキャナルを望む

 オフィスフロアの募集賃料は、1坪(3.3平方メートル)あたり月約3万2000円。17階はまだ契約が決まっていないとのことですが、西鉄の本社が戻り、九電工(福岡市)が本社を移転するなど、オフィスフロア全体では約6割の入居が決定しているそうです。

交流促す「創造交差点」


オフィスフロアへのエレベーター前に設けられた顔認証システム

 ワンビルは防犯面の配慮から、上層のオフィスに向かうには、6階でエレベーターを乗り換える必要があります。顔認証システムによって、“顔パス”でゲートを通過できる仕組みです。


6階の「スカイロビー スクエア」

 商業フロアとオフィスの間に位置する6、7階は「スカイロビー」となっています。コワーキングスペースやスタートアップを支援する企業などが入ります。


6、7階を結ぶ階段。座れるスペースも配置

 天神交差点側の一角には「スカイロビー スクエア」が設けられます。ワンビルの開発コンセプト「創造交差点」を体現するような空間で、6、7階を結ぶ階段と、自由に座れるスペースがあり、毎週木曜には交流イベントを開く予定です。


オリーブなどの植栽も


 6階は地上約28メートルの高さながら、植栽も施されています。目を引く場所に植えられたオリーブは花言葉が「平和・安らぎ」で、担当者は「交流を促す、ホッとできる場所にしたい、という願いを込めています」と話していました。


吹き抜け部分に設けられた高さ約8メートルの窓


災害時も頼れる存在に


 竣工式があった1月17日は、阪神・淡路大震災の発生から30年の節目の日でした。内覧会の冒頭、西鉄の担当者は大震災に触れ、まず防災対策について説明しました。


非常食などを備える予定

 多くの人が働き、各地から観光客が訪れる天神。その立地をふまえ、ワンビルは一時帰宅困難者555人の受け入れを想定し、1、6階に計約1110平方メートルの空間を提供できるようにしています。地下の倉庫には3日分の飲料水や非常食を備える計画で、電力供給が停止した場合でもガスか重油で発電できる設備を導入しているそうです。


高性能の制震システムを導入

 建物は、高性能の制震システムを採用しており、耐震性能は新基準の約1.5倍を確保しているとのことです。

 ワンビルでは今後、テナントごとの内装工事などが進められます。西鉄は近く、テナントの詳細も公表する予定。開業への期待感が高まりそうです。


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