コロナ退散の願いを込めて外科医2人が博多祇園山笠のミニ舁き山を制作

 新型コロナウイルスの感染拡大で今夏の開催が見送られた博多祇園山笠。伝統の神事に情熱を注ぐ"山のぼせ"の外科医2人が、コロナ退散の願いを込めた全長70センチの小さな舁き山を作りました。勤務する宗像水光会総合病院(福岡県福津市)に飾られ、病と闘う患者や家族を勇気づけています。


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患者さんに見てほしい

 2人は、肝胆膵外科部長の石川博人さん(福岡市西区)と心臓血管外科の細川幸夫さん(福岡市博多区)です。

 大学ラグビー部の先輩と後輩の間柄で、鹿児島生まれ宮崎育ちの石川さんは西流奈良屋町一区の赤手拭(あかてのごい)、生粋の博多っ子で幼い頃から山笠に参加してきた細川さんは土居流上新川端町の取締(とりしまり)を務めています。


ミニ舁き山を前に笑顔の石川さん(左)と細川さん

 「櫛田神社に山笠を奉納するという日常がなくなり、寂しかった」と石川さん。そんな時、細川さんが病院に持ってきたのが、実物の舁き山と同じ工程で組み上げる8分の1サイズのキットでした。

 土居流や中洲流の舁き山などを手がける山大工の棟梁(とうりょう)、稲舛積さんが、ヒノキやカシ、杉といった実物と同じ木から一つずつ部材を削り出す本格的なもの。石川さんは「山を舁けない代わりに、毎年山笠への参加を応援してくれる患者さんたちに見てもらいたい」と制作に挑戦することにしました。


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大蛇と対峙する鋭い視線


山台の上で大蛇と闘う素戔嗚尊


 しかし、組み立てはかなり難しく、土台にあたる山台と舁き棒しかありません。石川さんはコロナ退散の願いを込め、素戔嗚尊(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する神話の場面を紙粘土や毛糸で山台の上に自作しました。


大蛇を威圧する鋭い目

 コロナに見立てた大蛇を強くにらみつける眼球を何度も作り直し、ロウで作ったものを埋め込みました。


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細部までこだわって再現

 山台の下には、昨年の「お汐井(しおい)とり」ですくった清めの砂を吊り下げるなど、細部まで実物の再現にこだわっています。山笠では先輩の細川さんが助言し、仕上がりを確認しました。


山台の中央に清めの砂が吊り下げられている

 帰宅後に毎日2~3時間作業し、2か月半がかりでようやく完成。10月上旬から、病院1階に展示しています。石川さんは「リハビリで院内を歩く患者さんに『先生の山笠を見て元気がわいた』と喜んでもらえたことが何よりうれしい」と話しています。


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