お寺に集って歌って半世紀 飯塚の合唱団「コーロ・サンガ」

大分さん(手前)の指揮で歌う「コーロ・サンガ」の団員たち
福岡県飯塚市の混声合唱団「コーロ・サンガ」が結成50周年を迎え、10月4日に同市のイイヅカコスモスコモンで記念演奏会を開く。団員たちは「50年を一つの区切りとして、まだまだ続けていきたい」と張り切っている。
浄土真宗の住職や門徒らで
合唱団は1975年、筑豊地区の浄土真宗の住職や門徒らで結成。「コーロ」はイタリア語で「合唱隊」、「サンガ」はサンスクリット語で「集団」を表し、教えを伝える「仏教讃歌(さんか)」を中心に歌ってきた。80年代頃に団員が5人まで減った時期もあったが、自然と人が集まって乗り越えたという。
この半世紀、定期的に演奏会を開き、県内外のイベントに出演してきた。東日本大震災の翌年の2012年には、飯塚市で復興支援コンサートを行った。単独公演は3年ぶりとなる。
現在の団員は10~90歳代の35人。週1回、市内の寺に集まり、指揮者を務める明圓寺の前住職・大分哲照さん(77)の指導で練習を重ねている。
「命を大切に」思いを込めて
9月上旬の練習では、混声合唱組曲「水のいのち」に取り組んでいた。本番が近づいて熱を帯びる中、大分さんから「力み過ぎないように。大事なのは(歌詞の)意味を歌うこと」と指示が飛んだ。雨が水たまりから川を経て海へと流れる様子を壮大なスケールで歌った同曲は、今回の演奏会の目玉。大分さんは「命をつなぐというテーマが表現されている」と語る。
このほか「アニーローリー」や「ローレライ」といった外国の曲に挑戦し、仏教讃歌も6曲披露する。結成当初から関わってきた大分さんは「今年は戦後80年。ウクライナやガザでは今も信じられない状況が続くが、命を大切にしようという思いが伝わる演奏会にしたい」と意気込んでいる。
午後2時開演。全席自由で、1000円(高校以下無料)。問い合わせは、団員の松本憲一さん(0948-22-6218)へ。