ワンチームで心肺蘇生 女子ラグビー「ナナイロ」が活動中!

大任町での講習会で心肺蘇生の方法を教える選手たち

 福岡県久留米市を拠点に活動する女子ラグビーのプロチーム「ナナイロプリズム福岡」が、心肺蘇生法の普及を目指し、講習会や動画作成に取り組んでいる。心臓突然死はスポーツ時に多いとされていることから、現場で視聴しながらAED(自動体外式除細動器)や胸骨圧迫(心臓マッサージ)を実践できる解説動画を公開した。

講習会や動画で普及を目指す

 日本循環器学会などの2018年の提言では、スポーツ現場での心臓突然死のリスクは安静時の17倍に高まるとされる。ナナイロプリズムはAEDがついた自動販売機の普及を図り、これまでに福岡県や大分県のグラウンドなどに約20台を設置。今回は使い方を知ってもらおうと、講習会や動画作成に取り組んだ。

 11月11日にユーチューブに公開した動画「CPR・AEDクイックガイド」には選手が出演。倒れた人を発見した際はまず助けを呼んで119番し、AEDや救急車が来るまで「強く速く絶え間なく」心臓マッサージを行うよう説明し、AEDの使い方も解説している。


 人形を使った実践動画で、同じ内容を2回繰り返しており、1回分の長さは119番に合わせ「119秒」に。医師でチーム創設者の村上秀孝さん(58)は「一般市民にとって心肺蘇生はハードルが高い。まさに今、目の前で人が倒れたときでも、動画を見ながら救命できるよう実用的な内容にした」と説明する。

「1人で対処しようとせずに」

 実技講習会も開催しており、11月9日には、練習で利用している福岡県大任町の「おおとう桜フィールド」で住民ら約30人に選手たちが心肺蘇生法を教えた。

 キャプテンの馬場希美さん(23)は「ラグビーはコンタクトスポーツで、いつチームメートが倒れるか分からない。1人で対処しようとせず助けを求めたい」と話した。村上さんは「万が一のときに仲間を守ることにつながる。ぜひ動画を役立ててほしい」としている。


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