高校生らの演出でより華やかに 久留米「ほとめきファンタジー」
西鉄久留米駅東口広場のツリー。カメラのレンズの下にスマートフォンを置くと鏡のように映し出された
福岡県久留米市の中心部を約40万個のLEDが照らすイベント「くるめ光の祭典ほとめきファンタジー」が2025年も幕を開けた。今回は、地元高校生らも本格的に参画し、心弾む演出でイベントを盛り上げている。
心弾む空間
久留米青年会議所などでつくる実行委員会が主催し、21回目を迎えた。クリスマス前からバレンタインデーの時期にかけ、西鉄久留米駅東口広場や明治通りの街路樹などにイルミネーションがともり、市街地を華やかに彩る冬の風物詩となった。
注目は、久留米市の高校生らによる演出だ。カトリック久留米教会前の藤棚を生かしたフォトスポットは、南筑高校の地域協創クラスの10人がデザインを担当した。
白を基調に「どこを見ても心が弾む空間」を目指し、藤棚の枠にハートの光をちりばめた。高校生ならではのみずみずしい感性が共感を呼び、お披露目の日には撮影の順番を待つ列ができるほどの人気だったという。
「めっちゃきれい! 感動しました」。スマートフォンで夢中になって撮影していたのは、友人4人と訪れた地元中学2年の女子生徒。高校生が制作したと知ると、「さすが高校生!ハートがいっぱいで、センスがいいですね」と笑顔を見せた。
ここ数年、青で統一されていた明治通りの街路樹は、エリアごとにハニーゴールドやピンクなどに色分けされた。これも南筑高の生徒たちによる発案で、冬の夜の街歩きの楽しみが広がった。
「大人に交じって意見を出し、それがカタチになるのが楽しい」。生徒たちは6月から週1回の会合を重ね、現地にも足を運びながら、久留米への思いを光のデザインに込めていった。
温かい心で
25年度で閉校となる三井中央高校の3年生は、久留米シティプラザ近くの六ツ門テラスの植え込みを担当。かっぱをモチーフにした久留米市のキャラクター「くるっぱ」をテーマに街角を飾り付け、家路につく人たちの気持ちを和ませている。
西鉄久留米駅東口広場の時計台イルミネーションは、久留米高専の美術部が手がけた。高専のイメージカラーでもある緑を組み入れながら、遠方からは富士山のようにも見えるデザインに仕上げたという。
市民参加型の取り組みで輝きを増す久留米のイルミネーション。「地元の高校生たちと、これほど本格的に向き合ったのは初めて」と市の担当者も目を細める。
年末年始、街を照らす明かりを目にして「帰ってきた」と実感する帰省客も多いそうだ。"ほとめき"とは地元の言葉で「おもてなし」の心。温かく穏やかな気持ちで冬を過ごしてほしい――。街のあちらこちらに、そんな思いがともっている。

















