門司港へ!若戸大橋へ!北九州にもオープントップバスが登場
皿倉山を左手に望み、若戸大橋を渡る2階建てのオープントップバス
福岡市に続いて、北九州市にも2階建てのオープントップバスが3月27日に登場した。空を間近に感じる開放感とともに、街の表情をこれまでとは違う高さから楽しめ、北九州観光の新しいカタチとして注目されている。
観光の新しいカタチに
運行ルートは「門司港コース」と「若戸大橋コース」の二つ。このうち若戸大橋コースは、日本の近代化を支えた工業地帯のダイナミックな風景や、響灘地区に立つ風車群を間近に望めるのが魅力だ。春のやわらかな陽気の中、第1便に乗り込んだ。
事前に予約サイトや電話(092-734-2727)などで申し込み、JR小倉駅3階にある北九州市総合観光案内所でチケットを購入する。料金はいずれのコースも2500円。駅の新幹線口にある乗り場では、期待を胸にした人たちが出発の時を待っていた。
小倉南区から訪れた大八木美子さん(74)も、チケットを手に並んでいた一人。かつて参加した夜間クルーズで海上から若戸大橋を眺めて、その美しさに心を打たれたという。「今度は2階建てバスからの景色を見てみたくて。いずれ孫も誘いたいので下見です」と穏やかな笑顔を見せた。
やがて姿を現した13時発のバスは、ヒマワリをデザインした鮮やかな黄色い車体。若戸大橋や門司港駅といった観光名所のほか、市民に親しまれている「宇宙七曜星の精(通称マカロニ星人)」もさりげなく描かれている。乗り込む前から心が弾む。
満席となった定員46人のバスは、JRの高架をくぐって街の中心部へと向かっていく。魚町銀天街、小倉城、旦過市場――。道行く人たちの視線を感じつつ、一段高い視点からの"見慣れた風景"が新鮮に映った。
「新鮮な眺め」に大満足
北九州都市高速道路へ入ると、景色は一変した。車高3.8メートルの2階席から目にする入り口ゲートは手が届きそうなほど近く、驚きの声がもれる。
穏やかだった春の空気も、高速では様相がまるで違う。バスがスピードを上げると強い風が吹き抜け、乗客は帽子を押さえたり、かばんにしまったりしながらも、変化に富んだドライブを楽しんでいるようだ。
バスには年配の夫婦や、春休みの子ども連れの姿が目立つ。ガイドの説明に耳を傾けながら工場群に目を向けていると、「ママの髪が踊ってるよ」と小学生の無邪気な声が。ふっと広がる笑いが車内の雰囲気をやわらかくし、遠足気分にさせてくれた。
やがて、視界の先に若戸大橋が迫る。洞海湾を渡りながら見上げると、青空を背景に、赤い橋体が視界の後方に流れていく。鮮やかで、息をのむような迫力の体験だ。
橋を渡って若松区に入り、響灘地区の風力発電エリアへ。「間もなくシャッターチャンスですよ」というガイドの声が聞こえると、左手に巨大な風車が現れた。
高さ約140メートルの白い巨塔が、道路からわずか100メートルほどの距離にそびえ立つ。「すごいねー」の声に実感がこもる。
バスは再び都市高速を経由して小倉駅へ。90分の行程は、思いのほか短く感じられた。バスを降りた大八木さんは「高いところからの眺めは新鮮で楽しかったです」と満足そうに話してくれた。
同じ風景でも、見る位置や時間によって表情は大きく変わる。その違いを肌で感じさせてくれるのが、このオープントップバスの魅力だと思った。






















