またまたブーム到来! どれにする?個性派「ドーナツ」

バリエーションに富むドーナツを紹介するツバメドーナツの田村さん(左)ら

記事 INDEX

  • 豊かな時間を手軽に!
  • 閉塞感をおいしく打破
  • ビーガン、SDGs商品も

 ドーナツが人気を集めている。楽しい食感やカラフルな見た目、素材へのこだわりなど個性豊かな味がそろう。おやつにどれを食べようかと迷ってしまいそうだ。

豊かな時間を手軽に!

 福岡市中央区の「TSUBAME DONUT(ツバメ ドーナツ)平尾店」は、ユニークな食感が楽しめると評判の店だ。「ふわふわ」「もっちり」「しっとり」の3タイプあり、一番人気はふわふわの生地を砂糖でコーティングした「つばめドーナツ」(250円)。工場で手作りした約10種類を並べている。

 同店は居酒屋の運営会社「othello(オセロ)」が2020年9月、コロナ禍での新事業としてオープンした。テイクアウトできるスイーツとして人気を集めて市内に5店舗を展開し、今年1月にはタイ・バンコクに進出した。


小さなショーケースでも日替わりのドーナツが紹介されている

 4月に平尾店を訪れた女性客は「ケーキより気軽に買えるのがドーナツ。月に何度も来ます」と笑顔で話した。店長の田村翠さんは「ドーナツを食べて豊かな時間を過ごして」とほほえむ。

閉塞感をおいしく打破

 作家で生活史研究家の阿古真理さんによると、現在は2000年以降で3回目の「ドーナツブーム」。1回目はアメリカのドーナツチェーンが日本に上陸した06年頃、2回目はコンビニでの販売が始まった15年頃で、今回はコロナ禍によるテイクアウト需要が背景にあるという。

 閉塞(へいそく)感のある日常をおいしいおやつで乗り切りたいと思う人が増え、手頃な価格で気軽に食べられることや手土産に喜ばれることなども人気の理由だ。阿古さんは「今はふわふわした食感が注目されているほか、ビーガン(完全菜食主義者)に対応したもの、SDGs(持続可能な開発目標)を意識したものも目立ちます」と説明する。


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ビーガン、SDGs商品も


植物性の材料だけで作られた焼きドーナツ

 福岡市中央区の「Soy Stories YAKUIN(ソイストーリーズヤクイン)」は、100%植物性の素材を使ったビーガン向けドーナツを提供する。豆乳におからや米粉、山芋粉を練り込み、てん菜糖で甘みをつけた。揚げない「焼きドーナツ」で小麦や卵を使わないこともあり、アレルギーのある人や健康志向の人などにも人気という。

 プレーン(330円)はアールグレイや八女抹茶など6種類。経営する小南優作さんは「ビーガン向けの食べ物は敷居が高いと思われがちですが、ドーナツは手軽でおいしいですよ」と薦める。


「食品ロスを減らすために販売しています」と店長の満生さん


 福岡県春日市の「お菓子の機械工房 テック」はオールドファッションタイプを木~日曜限定で販売。店を開いたのは、揚げドーナツを製造する業務用機械の製作会社「マンテック充填(じゅうてん)工業」で、「機械の試運転で作るドーナツを廃棄するのがもったいない」と2018年3月にオープンした。


 チョコをコーティングしたものなど約10種類(150~160円)あり、店長の満生美樹さんは「食品ロスを減らしたくて販売を始めました。年配の方にも好んで食べてもらえます」と話す。


グラッファを紹介する百田さん

 福岡市西区の「Poco Poco Graffa(ポコポコグラッファ)」は、揚げドーナツ「グラッファ」の専門店だ。グラッファは、生地にジャガイモを練り込んで揚げ、砂糖をまぶしたイタリア・ナポリの伝統菓子。店長の百田芽以さんは、近くのイタリア料理店デザート担当の料理人として働いており、グラッファのおいしさを広めたいと22年3月に専門店をオープンした。

 百田さんは「イタリアの食文化を知るきっかけになればうれしい」と話す。月~木曜の営業で、市内などで移動販売なども行っている。プレーン300円、クリーム入り400円から。

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