独創的な味、こだわりの口溶け 「進化するかき氷」を食べ歩き
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記事 INDEX
- 自家製ソースで召し上がれ
- 雪のような食感、料亭の味
- ライブ感でおいしさアップ
夏の風物詩、かき氷が進化している。意外な味を組み合わせたり、口溶けにこだわったり。涼を求めて店を食べ歩くのも楽しそうだ。
自家製ソースで召し上がれ
福岡市博多区には、完全予約制のかき氷店「おまめよしこのかき氷」がある。定番メニューは「おとうふ」「明太フランス」「白みそごぼう里芋」「キャロットケーキ」の4種類(各1700円)で、独創的な味が人気だ。
かき氷の上に自家製ソースをかけて食べるスタイルで、一番人気の「おとうふ」は豆腐クリームに、ポップコーンやナッツ類をトッピング。明太大葉ミルクをかける「明太フランス」は、氷にモッツァレラチーズや明太ラスクが入る。
季節のメニューもあって常時約10種類を提供。6月に来店した福岡県糸島市の調理師の女性は「おとうふ」など2種類を注文し、「やみつきになるおいしさ。月に数度食べています」と笑顔で話した。
同店は2021年4月、大牟田市出身の吉田由起子さん(46)がオープン。これまでに「牛丼」「がめ煮」なども登場させており、「甘みだけじゃなく、色々な味の可能性が広がるのがかき氷の面白さ」と語る。
雪のような食感、料亭の味
かき氷の愛好家は「ゴーラー」などと呼ばれ、有名店を食べ歩いて気に入った品をSNSに投稿する人も多い。
糸島市の観光地「白糸の滝」の近くで春から秋の期間限定でオープンする「雪菓子元祖 白雪の花 村上や」は、特許製法で作った雪のようなフワフワの食感でゴーラーに人気。凍らせる前に味をつけた氷を使用しているのも特徴で、一番人気は「あまおう」(900円)だ。
今年の新作は、佐賀県唐津市の老舗洋菓子店とコラボした「始まりはいつもチーズケーキ」(1日10食限定、2200円)で、マスカルポーネなど5種類のチーズを使用している。店長の村上小梅さん(24)は「こだわり抜いたかき氷です」と力を込める。
福岡市中央区の老舗料亭「稚加榮(ちかえ)」は、カフェ「稚加榮茶寮」大名本店で本わさびを使った「台湾かき氷 本わさび」(1100円)を提供する。わさびが利いたソースやアイスのほか本わさびのチップスもトッピングし、鼻につんと抜ける清涼感が好評だ。
元々は料亭で夜に出していたメニューで、「昼も食べたい」との声があり、味を改良して2022年4月に開いた茶寮のメニューにしたという。店長の高石治子さん(52)は「わさびは甘味でも爽やかさや香りが生きます」と説明する。
ライブ感でおいしさアップ
同区のチョコレート専門店「XXOCOA(ショコア)」では、和洋折衷のかき氷「グラスエヴェイユ」(2000円)を、パティシエが目の前でライブ感たっぷりに盛り付けてくれる。チョコレートドリンクを注いだグラスに削ったオーガニックチョコレートの氷をのせ、アイスやラングドシャで飾る。
同市南区の「ドルチェかき氷 熱捨(ねつすて)」はスーパーを運営するダイキョープラザが期間限定で開く専門店。今年はベトナムのスイーツをアレンジした「ベトナムスイーツ チェー氷」(1500円)が登場したほか、スパイスが香る「8層のマサラチャイソース&ババロア」(1200円)などもある。店長の秋吉奈々恵さん(46)は「かき氷で夏の熱を捨てて」と呼びかける。
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