こだわりの一杯「クラフトビール」 福岡県内に個性派が続々
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記事 INDEX
- 飲み比べ楽しんで
- 多彩な素材を使用
- ビールで地域貢献
個性的なクラフトビールが福岡県内で次々に登場している。「マイクロブルワリー」と呼ばれる小さな醸造所で造られ、併設の飲食店「ブルーパブ」でできたてを楽しめるところも多い。
飲み比べ楽しんで
糸島市の醸造所「糸島ハローブルワリー」は、特産品を使った8種類のビールを製造している。地元産イチゴを使った「あまおう」はイチゴの甘酸っぱさがビールの苦みと調和。黒ビール「オイスタースタウト」は、市内で水揚げされたカキの殻をビールに漬け込み、コクのある味わいに仕上げた。
ほかに無農薬の甘夏を使った「甘夏ペールエール」などがあり、いずれも地元の湧き水で製造。1瓶650円から。
同醸造所は、福岡市の不動産会社「ハローグッバイ」が2022年11月に開業し、隣接するイートインカフェ「麦房 余韻」(土日のみ営業)で味わうこともできる。「あまおう」などを購入していた糸島市の主婦は「香りが良くておいしい。友人にもプレゼントしたい」と笑顔で話した。
同社は11月、福岡市博多区にビアバーをオープン。ブルワリー担当の長谷川太一さんは「飲み比べてお気に入りを見つけて」と呼びかける。
多彩な素材を使用
北九州市小倉北区の旦過市場にあるブルーパブ「Brasserie SOMA(ブラッスリーソーマ)」は店内に醸造所「小倉ブルーイング」を構え、多彩な食材を使ったビールを提供している。
オーナーの小尾拓師さんが20年12月にオープン。自宅で栽培したかんきつのスイートスプリングやバンペイユ、ゴーヤのビール(レギュラーサイズ700円から)を製造しており、過去にはブドウ、キウイ、県産米「夢つくし」などを使ったビールも手がけた。ホップ栽培に取り組み、自家製ホップで造ったビールも提供。小尾さんは「小倉だからこそ飲めるビールを味わって」と力を込める。
太宰府市の太宰府天満宮近くに今年10月に開店した「太宰府ブルワリー」は、梅を使ったウィートエール「天神UMEエール」を提供する。
那珂川市で障害者の就労支援などを行う大野浩一さんが、クラウドファンディングを活用して開業。雇用創出の狙いもあり、障害者に瓶のラベル貼りやタンク清掃などを担ってもらっているという。大野さんは「世界中から太宰府に来る人々にビールで笑顔になってもらいたい」と話す。
ビールで地域貢献
福岡市中央区の大濠公園近くに22年9月に開店したマイクロブルーパブ「B.R.E.W.(ブリュー)」は、店内の醸造所で製造した5種類ほどのビールも提供。週1回のペースで、ホップ、麦芽、酵母などの組み合わせを変えたオリジナルビール(Sサイズ700円から)を開発し、店を訪れる度に異なる味を楽しめる。
オーナーの藤田航さんは大手酒造会社を退社後、ビール好きが高じて北海道のブルワリーで醸造を学んだ。「クラフトビールになじみのない人にもおいしさを感じてほしい」と意気込む。
柳川市の「ブルワリー柳河」は、みやま市の老舗酒造会社で杜氏(とうじ)を務める黒田信久さんが22年3月に開業。黒田さんは柳川市出身で、クラフトビールで地域貢献したいと醸造法を学び、日本酒を造る技術や経験も生かしてビールを製造しているという。
爽やかな酸味が効いた「ウィートエール」、香ばしい香りでデザートに合う黒ビール「スタウト」など4種類を提供。「柳川のおいしい食事と一緒に地元のビールを楽しんで」と話す。
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