福岡県柳川市出身で、教員生活の傍ら地元の人々を撮り続けた野田演吉(1911~2001年)の写真展が4月11日、同市の柳川古文書館で始まった。
野田は、中学伝習館(現・県立伝習館高)から東京農業大へ進学。太平洋戦争から復員後の1951年、大牟田市の中学校に赴任した。その後、みやま市や柳川市の中学校を経て同市の杉森女子高(現・杉森高)に勤務。87年まで36年間にわたって教員生活を送った。
この間、時間を見つけては自宅近くの柳川市沖端地区などで趣味の写真撮影に励んだ。撮りためた写真は97年、教え子らの手で「澪(みお)すじ 野田演吉写真集」として出版された。
第1期テーマは「いきる」
今年1月、「郷土の資料として活用してほしい」と、昭和20年代から平成にかけて撮影された約2万8000カットのモノクロフィルムが遺族から市に寄贈された。写真展では、このうち昭和20~40年代の120点を3期に分けて紹介する。
第1期のテーマは「いきる」。沖端地区の細い路地を子どもたちが走り抜け、そばで漁具の手入れをする大人たちがほほえみながら眺めている様子を捉えた作品などを展示し、どこか懐かしさを感じさせる「昭和の柳川」を伝える。
第1期は7月2日まで。第2期は7月5日~9月24日、第3期は9月27日~12月3日の予定。入場無料。月曜休館(祝日の場合は翌日)。問い合わせは柳川古文書館(0944-72-1275)へ。