北九州市の2022年度のふるさと納税寄付額が、約20億3000万円(速報値)に上り、初めて20億円を突破して過去最高となった。物価高騰など社会情勢を踏まえ、需要度が増した日用品の返礼品についてPRを強化したことなどが功を奏したという。
市によると、4月25日現在の速報値で、22年度の寄付件数は21年度より8767件増の10万5718件となり、初めて10万件を超えた。寄付額は、過去最高だった21年度の約18億1800万円を約2億1200万円上回った。
好調の要因として、市は物価高で需要が高まっている日用品などの返礼品について、ネット広告で露出機会を増やすなどPRを強化。その結果、トイレットペーパーの寄付額は21年度の2.7倍、せっけんは1.4倍に増加したという。
返礼品も、21年度の約680品目から約200品目増やした。また、「一人暮らしや核家族だと返礼品が大量で消費しきれない」という寄付者のニーズに応じて、数や内容量の選択肢を拡充させたことなども寄付の増加につながったという。
今年度は、新型コロナウイルスの影響で中止していた首都圏などでのPR活動を本格的に再開する方針。市企画調整局の担当者は「コロナ対策の規制緩和で旅行者が増える中、ふるさと納税をきっかけに北九州市を訪れてもらえるように、さらに力を入れていきたい」と話している。