学校給食の使用済み昆布を餌にクロアワビの稚貝を育てる中間育成試験で、初めての放流が2月13日、福岡県福津市沖で行われた。
低コストでの育成や昆布の焼却をやめることによる温室効果ガスの排出抑制を目的に、福津市と宗像漁協津屋崎支所、県立水産高が2023年6月に試験を開始。約1センチの稚貝に小中学校の給食でだしを取った後の昆布を食べさせながら育ててきた。
この日放したのは、3センチまで育った151匹。通し番号のタグを付けた後、同高3年のダイバー3人が、天敵のタコやヒトデがいないことを確認しながら、水深1.3~1.5メートルの岩に1匹ずつ丁寧に吸着させていった。
漁獲できるのは3年後で、それまで生きられる個体は2~3割程度という。餌やりや水槽の管理、体長の測定など、毎日世話をしてきたアクアライフ科3年畑和緒哉(なおや)さん(17)は「密漁されたり、外敵に食べられたりせず、無事に大きくなって」と見送った。
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