福岡市東区の貝塚公園で保存展示されているブルートレインの客車「ナハネフ22」の車内公開が3月16、17日に開かれる。10年以上続く人気イベントで、入場無料。
イベントは福岡市主催。普段は施錠されている車内に入ることができ、寝台に座ったり、緩急車ならではの展望スペースを見学したりできる。
ナハネフ22
1965年頃に博多―東京駅間を結んだ寝台特急「あさかぜ」などに使われ、70年代後半には門司港―西鹿児島駅(現・鹿児島中央駅)間を結ぶ寝台急行「かいもん」としても活躍した。87年頃に廃車となり、90年にJR九州から福岡市へ無償貸与された。
両日は客車の維持や修復をする任意団体「ナハネフ22 1007修復プロジェクト委員会」の高橋竜会長らが、ボランティアガイドを行う。60年ほど前に作られた客車からは、当時の板金職人による手作業のぬくもり、高度経済成長期の旅情などを感じることができるという。
高橋さんは2005年に客車の外装や床が傷んでいることを知り、09年から車内の掃除ボランティアをスタート。12年に約350万円の私費を投じて修繕し、それをきっかけに福岡市が一般公開イベントを春と秋に開くようになった。
しかし、その後も劣化は進み、クラウドファンディングを企画して、20年に再び修復作業を行った。この時、車体のクリーム色のラインが急行時代の2本から、特急時代の3本に戻った。
高橋会長は「車体を洗ってワックスをかけ、ピカピカにしてお待ちしています。ぜひお越しください」と話している。