ミャンマーからのアジアゾウ4頭の受け入れについて、福岡市動物園は6月5日、7月中に来園する方向で調整していると発表した。慣らし飼育の後に、10月頃にも一般公開する予定。当初は今春に到着する予定だったが、手続きなどに時間を要したという。同園の担当者は「市民も待ちわびていると思う。ゾウの健康と安全に輸送することを最優先に進めたい」と話している。
10月にも一般公開へ
受け入れるのは雄1頭と雌3頭。現在はミャンマー国内の施設で出発に向けた訓練などをしており、4頭とも健康だという。今後、輸送機で4頭一緒に運び、福岡入りする予定だ。
同園では、2017年9月に雌の「はな子」が死んだ後は、ゾウの不在が続く。市は19年、姉妹都市のミャンマー・ヤンゴンの動物園と、4頭を22年春に受け入れることで合意したが、新型コロナウイルスの感染拡大や同国の軍事クーデターの影響などで延期。23年12月に今春に来園する見通しを公表したが、出入国のための許可や手続きが想定以上に時間がかかり、予定が遅れたという。
同園は、受け入れに向けてゾウ舎の増改築を進め、従来の3倍となる放し飼い場などを新たに整備した。同園の川越浩平園長は「うれしい反面、責任の重さも感じる。ゾウにとっては環境が大きく変わるので、静かな環境で早く落ち着かせてあげたい」と話した。