子どもたちが車のクラクションをお尻で押して鳴らし、助けを求める訓練が、福岡県中間市のなかまハーモニーホールで行われた。同市では2021年7月、保育園の送迎バスに園児が取り残されて熱中症で死亡した事件が起きており、再発防止に向けた取り組みとして企画された。
放置死を受け、中間市で訓練
子どもたちに自ら命を守れるようになってもらおうと、市民団体「なかまのなかま協議会」と中間市が8月18日に開き、3歳~小学2年の6人が参加。訓練では、子どもたちがハンドルに腰掛けるようにしてクラクションを鳴らした。通園バスを利用している保育園児(4)は「何かあったときに鳴らせるようにしたい」と話していた。
講師を務めたのは、車に閉じ込められた際にお尻でクラクションを鳴らす方法を広めている山口県下関市の市民団体「te to te(てとて)」代表の古賀あさ美さん(46)。古賀さんは元幼稚園教諭で、中間市の事件にショックを受け、啓発ステッカーを作って配布している。
古賀さんによると、幼い子どもが腕の力でクラクションを鳴らすのは難しいが、お尻で体重をかけて鳴らす方法を知っていれば助けを求めることができる。「一度体験しておけば、いざというときに行動できる。親子で実践してほしい」と呼びかけた。
同協議会事務局長の原舞さん(41)は「子どもの命を守るため、定期的に訓練をしたい」と話していた。
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