【熊本】「マンガ学科」高森高で入学説明会 学生寮の名は

 公立高では全国初となる「マンガ学科」が4月に誕生する熊本県立高森高(高森町)で3月24日、入学予定者説明会が開かれた。新入生らは授業を全面支援する漫画出版社との通信システムなどを見学し、新生活への期待に胸を膨らませた。


パソコン室でコアミックス編集幹部の話を聞く入学予定者たち

 マンガ学科に入学予定の40人と普通科グローカル探究コース33人のほぼ全員が出席した。入学手続きなどの説明を受け、パソコン室ではプロが使用する漫画制作用のペンタブレット端末41台を興味深げに見入った。

 入学予定者たちは、漫画出版社「コアミックス」(東京)の編集幹部からオンラインで激励を受けた。入学後は漫画家や編集者から通信システムを活用した指導を受ける。同校は、優秀な生徒が在学中に雑誌デビューすることを視野に入れているという。

 大津町立大津中3年の生徒(15)は将来、イラスト関係の仕事をしたくて選んだ。入学を前に「素晴らしい学習環境で技術を磨き、自分らしいイラストを描けるようになりたい」と目を輝かせた。

 山中圭介校長は説明会で「新生・高森高校に合格した皆さんを大歓迎します。先生たちも気合十分で、皆さんの入学を心待ちにしています」と話した。

町営学生寮は「時空和ベース」

 高森高校の生徒を受け入れる高森町営学生寮「たかもり時空和(ときわ)ベース」で3月27日、落成式が行われた。熊本コアミックス(熊本市)の持田修一社長ら約50人が出席し、テープカットで祝った。新年度から新入生の男子3人、女子18人らが生活する予定。


完成した高森高の町営学生寮

「トキワ荘」とかける

 寮名は手塚治虫らが集った「トキワ荘」とかけ、夢と志を同じくする若者が「時間」「空間」を共有し、日本の文化「和」を世界に発信するとの思いを込めたという。

 町が受け入れ環境を確保するため整備した。事業費約2億6700万円は全額、ふるさと納税でまかなった。女子寮3棟(定員計18人)にはリビングを備えた。男子寮1棟(定員42人)には男女共用の食堂があり、2階には高森中剣道部の生徒が入寮する予定。


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