飯塚市・筑豊緑地にみんなで楽しめるインクルーシブ遊具

 福岡県飯塚市仁保の県営筑豊緑地で、障害の有無にかかわらず遊ぶことのできる「インクルーシブ遊具」を備えた広場の一部エリア(4400平方メートル)が、供用を開始した。県は今年夏をめどに国内の公営公園で最多の規模まで同遊具を増やすほか、2025年度中にこうした公園を県内で計6か所に広げていく方針だ。


供用を開始した遊具広場

 2024年12月中旬の夕方、筑豊緑地の遊具広場に歓声が響いていた。寒さに負けず、子どもたちが真新しい遊具を一つずつ回りながら楽しんでいた。市内から訪れた小学2年の女児は「いつも行く公園にはないものがあって面白い」と声を弾ませた。

 11月30日から使用できるようになったインクルーシブ遊具は5基で、1月15日に2基増えた。車いすでも利用できるスロープがついた複合遊具や、いすから落ちないように体を固定できるターザンロープなどがある。皿型のブランコは、姿勢を保つのが難しい子どもでも乗ることができるよう配慮されている。

 夏には工事中のエリアも完成し、広さは7700平方メートルに拡大される。県公園街路課によると、これに伴い、インクルーシブ遊具12基、その他の遊具13基まで増やす方針だ。インクルーシブ遊具の設置数は全国的にみてもトップクラスの公園になるという。

 このほか、大屋根広場や介助ベッドを備えたバリアフリートイレなども備える。整備計画を巡っては、障害者支援施設や保育施設などが参加するワークショップを開き、意見を聞いた。

 県は筑豊緑地や中央公園(北九州市)、大濠公園(福岡市)など、県内6か所でインクルーシブ遊具を整備する計画で、25年度中の完成を目指している。

 県公園街路課は「障害のあるなしにかかわらず、一緒に遊び、相互理解を深めてもらいたい」としている。


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