【山口】瑠璃光寺五重塔「令和の大改修」がより見やすく
「令和の大改修」が行われている山口市の国宝・瑠璃光寺五重塔について、山口県は塔を覆っていたシートの一部を透明なパネルに取り換えた。米紙ニューヨーク・タイムズの特集「今年の旅先52選」に市が選ばれたことを受け、訪れた人たちが改修作業の一端を見られるようにした。
外壁シートを一部透明に
作業を映すモニター設置
特集記事では五重塔も紹介された。ただ、改修中でシートに覆われ、その姿を見ることができないため、県が改善を進めていた。
3月中旬までに、五重塔東側のシートを一部外した2か所にポリカーボネート製のパネルを取り付けた。また、近くにモニター2台を設置し、1台は檜皮(ひわだ)葺(ぶ)きの屋根など五重塔の特徴や改修作業について説明する動画、もう1台は作業場の様子を映している。費用は計約1000万円。
透明パネルからでも、工事用の足場となる骨組みに覆われて実物はほぼ見えない状態だが、担当者は「文化財の修理現場を見られる貴重な機会。モニターも活用してほしい」と話している。パネルの設置は足場の撤去が始まる来年3月頃まで継続する予定。
大改修では五重塔の屋根を約70年ぶりに全面的にふき替える作業を行っており、工事全体は2026年3月の終了を目指している。