【山口】「徳山デッキ」が全面開業 駅前のにぎわい期待
山口県周南市のJR徳山駅前の再開発事業で建設が進められていた商業棟やホテルなどの施設群「徳山デッキ」が完成し、翌日のグランドオープンを前に4月17日、記念式典が開かれた。6年前にオープンした市立徳山駅前図書館に続くにぎわい創出の起爆剤として、期待が高まっている。
徳山デッキは、駅東側にある百貨店跡地周辺の約1.2ヘクタールに屋上駐車場を備えた商業棟、12階建てホテル、18階建てマンション、6階建てオフィスビルから成る。再開発事業は地権者らでつくる徳山駅前地区市街地再開発組合が計画し、2021年2月に着工。22年9月に金融機関などが入るオフィスビルが開館し、残りの施設は今年1月に完成した。その後、マンションの入居が始まり、2月からグリーンリッチホテル徳山駅前が営業している。
にぎわいの目玉となる商業棟(地上3階、延べ床面積約9210平方メートル)は、24区画のテナントがあり、4月18日に全国フランチャイズの「業務スーパー」が1階にオープンする。既に飲食店などが営業を始めており、計14店舗の出店になる。
再開発事業を巡っては、郊外型の商業施設の出店に伴う大型店の撤退で駅周辺の中心商店街が衰退する中、同組合が18年に民間による再開発基本計画を策定。当初は昨年12月のグランドオープンを目指していたが、資材価格の高騰で建設や出店が遅れたため今年4月になった。総事業費は約122億円で、このうち国と市の補助金は約33億8000万円。
4月20、21日に関連イベント
記念式典には関係者約40人が出席し、同組合の小野嘉久理事長が「たくさんの人が徳山デッキを訪れ、近隣の店舗の魅力も発見してほしい」とあいさつ。藤井律子市長らがテープカットで完成を祝った。
施設の運営を担うパークタウン商業運営の黒神直大社長は「図書館のある徳山駅、買い物や交流が楽しめる徳山デッキ、中心商店街を回遊する人の流れをつくり、街の元気を取り戻していきたい」と意気込んでいた。
4月20、21日は関連イベントとして、同市和田地区に伝わる国指定重要無形民俗文化財「三作神楽」や高校生らのダンスで盛り上げる。