【佐賀】鹿島市に「ご近所」カフェ 店主はアメリカ出身

 佐賀県鹿島市の祐徳門前商店街に、観光客や地域の人が集うカフェ「Gokinjo(ごきんじょ)」がオープンした。オーナーは米ロサンゼルス出身で、白石町で英会話教室・学習塾を営むピーター・ベントリーさん(47)。「大好きな場所に『ご近所』のぬくもりが感じられる場所を設けたい」との思いが募り、開店にこぎ着けた。

「ぬくもり感じる場所に」

 ベントリーさんは2000年に外国語指導助手(ALT)として来日し、鹿島高などで英語を教えた。母国の大学では児童心理学を学び、当初は日本で1年ほど働いた後に帰国して大学院に進学するつもりだったという。ところが、佐賀の田園風景や緑の山々などの自然、人々の温かさに魅了され、日本で暮らし続けたいとの気持ちが強まった。03年には妻の久仁子さん(45)と結婚し、妊娠を機に、久仁子さんの実家がある白石町で英会話教室・学習塾を開いた。


カフェ「Gokinjo」を開いた(左から)久仁子さん、ベントリーさん、定松さん、ギブソンさん

 ベントリーさんは学生時代に飲食店でアルバイトをした際、公正な価格で生産地からコーヒー豆などを直接仕入れる「ダイレクトトレード」に関心を持った。接客が楽しかったこともあり、「いつかカフェを開きたい」との夢を抱いていたという。

 2人の子どもが成長して育児が一段落したと感じていた23年10月、塾のハロウィーンイベントを門前商店街で実施した際に、空き店舗を安価で借りられる「チャレンジショップ事業」を知った。審査を通過し、かつては食堂だった店舗を改装して24年4月に店を開いた。

 カフェは約20畳の座敷とキッチンがあり、土間にはテーブル席を設けている。ALTとして働く友人のライオネル・ギブソンさん(43)と、久仁子さんの妹の定松由加利さん(40)もスタッフに加わり、ダイレクトトレードの豆で入れたコーヒーなどのドリンクを販売。土日は、ギブソンさんと定松さんが手作りしたドーナツやタイカレー、ワインやビールなども提供する。

 営業は木曜から日曜までの午前10時~午後4時で、地元の人たちにも親しんでほしいと、店内で英会話などを教える教室も開催している。英語が通じることから、外国人観光客もよく立ち寄るという。ベントリーさんは「いろんな人々の温かな気持ちがたくさん集まる場所にしていきたい」と力を込めた。


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