【鹿児島】黒酢の老舗が挑むラーメン店 霧島市で開業!
発酵調味料を使って町を盛り上げようと、創業200年を超える鹿児島県霧島市福山町の老舗黒酢メーカー「伊達醸造」が同町内に自社製の調味料を使ったラーメン店をオープンした。同社の富沢英里子さんは「福山町を知ってもらうとともに、発酵の温かさを感じるきっかけにしてほしい」と意気込んでいる。
霧島「伊達醸造」 黒酢やみそ使用
店名は「伊達商店」。ラーメンには、1820年(文政3年)創業の同社の黒酢やみそ、しょうゆが使われており、素材の味を生かすことにこだわっているという。また店は、祖父母が以前住んでいた家を改装。海の近くにあり、桜島が展望できる客席も特徴だ。
東京で働いていた富沢さんが鹿児島に移住したのは2023年7月。母方の祖父が経営していた伊達醸造が、将来的に廃業する可能性があると聞いたことで決意した。現在、叔父の伊達英史さんのもとで醸造などを学びながら前職の経験を生かして広報などを担当している。
ユーチューブがきっかけ
オープンのきっかけは人気ユーチューブチャンネル「令和の虎」だった。経営を学ぶために視聴し始め、23年12月に「現状維持ではだめだ」と応募。事業再生の支援を取り付けるため、人手不足や従業員の高齢化、財務状況の改善策をプレゼンした。
その結果、全国で飲食店などを運営する麺JAPAN(東京)の坂田敦宏代表からアドバイスが受けられるようになり、自身の好物であるラーメン店への挑戦を決めた。
発酵の温かさ感じて
メニューは当初、自身が生まれ育った横浜市が発祥で豚骨などから取ったダシにしょうゆのタレを混ぜた「家系ラーメン」などを想定していた。アドバイスを受ける中で、「みそやしょうゆ本来の味が感じられるラーメンを」として「みそ豚骨」と「鶏しょうゆ」の二つのラーメンを選んだ。
オープンから1か月で1000人以上が訪れ、SNSでも県内外から応援のコメントが届いているという。富沢さんは「ラーメンを通じ、福山町に継続的に足を運んでもらってまちづくりに貢献したい」と話す。




