【佐賀】鉄道のまちをアピール!鳥栖市で「門トス」フェス

 鉄道のまち・鳥栖をアピールするイベント「門トス 鉄道フェス」が、佐賀県鳥栖市のJR鳥栖駅そばのJR九州関連施設「鳥栖電力区・通信信号区」で開かれている。鉄道模型のジオラマをはじめ、鳥栖駅で分岐するJR鹿児島、長崎線の往時の写真や蒸気機関車のナンバープレートといった関連資料が展示され、来場者の目を引いている。12月21日まで。

巨大ジオラマや鉄道写真


来場者の注目を集めている鉄道ジオラマ

 「門トス」は地元にあった「門司鉄道管理局鳥栖区」の略称。交通と物流の要衝・鳥栖にとって発展の象徴とも言える鉄道を顕彰し、まちおこしに取り組む有志グループ「門トス鉄道復活隊」が企画した。鉄道フェスはグループ発足に合わせて開催した2024年に続いて2回目で、今回は「いまもなお鉄道のまち」をテーマに開いた。

 施設2階の会場に入ると、幅約5.5メートル、奥行き約2メートルの巨大な鉄道ジオラマが圧巻。模型愛好家の横尾正則さん(鳥栖市土井町)と栗林陸生(みちお)さん(福岡県筑紫野市)が列車や鉄橋などを持ち寄り、立体構造の最大9線のレールを敷いてNゲージとHOゲージの鉄道模型を走らせる。

 ジオラマ中央には特急「ゆふいんの森」や「A列車で行こう」といった九州ゆかりの列車を並べている。有料でNゲージの運転体験や自分の車両を持ち込んで走らせることもできる。


会場の写真を説明する原さん(右)

 鉄道写真は、元国鉄マンの原英機さん(鳥栖市藤木町)が現役時代に撮りためたもの。駅一帯にあった鳥栖機関区(車両基地)の転車台で方向転換する蒸気機関車D51(デゴイチ)、機関車の乗務員や線路の作業員、社員寮の友人……。鳥栖駅周辺の沿線風景や職場の同僚を切り取った写真が並ぶ。「今では見られない光景から古里と鉄道の歴史に興味や愛着を持つきっかけになればうれしい」と原さん。

幅広い世代 楽しんで

 会場の一角には、鳥栖駅を中心に鉄道の歴史を記した年表パネル(縦1.6メートル、横4メートル)を設置。年表の下段に来場者が半生を振り返るコーナーがあり、付箋に「大学の時、乗り換えで使っていた」「上京する九州最後の日(鳥栖駅で)うどんを食べた」と駅や列車の思い出を書き込んで貼り付ける人の姿も見られた。

 このほか、列車に取り付けられる行き先表示板、2006年の鳥栖貨物ターミナル駅(鳥栖市原町)の開業記念ヘッドマークといった貴重な鉄道資料も展示。グループは鉄道記念館の開設を目指しており、募金箱を置いて活動支援を呼びかけている。

 代表の岡本哲朗さんは「ファンだけでなく幅広い世代が楽しめる内容になっている。家族や友達と一緒に訪れてほしい」と話している。

 入場無料で午前10時~午後5時。問い合わせは岡本さん(080-8378-2794)へ。


advertisement