【山口】1本3万2400円 祖母のレシピで超高級ソース開発

 山口県下松市の起業家・山本亜門さんが、厳選した国産素材でしょうゆベースのバーベキュー(BBQ)ソースを開発した。価格は調味料としては破格の1本(360ミリ・リットル)3万2400円。幼い頃から親しんだ祖母の手作りソースを参考に、日本らしさを追求した世界に誇れる逸品を目指している。


ソースの魅力を語る山本さん


全国の素材を厳選

 山本さんがBBQソースに着目したのは、大手人材サービス会社に在籍していた数年前。「海外で親しまれているBBQに、しょうゆベースのソースがマッチすれば商機が広がるのでは」。同社は副業が認められており、仕事をこなす傍ら試作を始めた。

 食品開発の知識はなかったが、実家でのBBQで使っていた祖母の雲子(ともこ)さんの手作りソースを参考にした。果物をふんだんに使い、風味が良いソースのレシピを雲子さんに教わり、リンゴやバナナなどの果物、ベースとなるしょうゆなど、数十パターンの配合を家族に振る舞っては感想を聞いた。

 飲食店を経営していた父、大吉さんらの助言で「高価でも口にしたい味」を求め、清流が育んだ岩国市の地酒、太陽の恵みが詰まった沖縄県産のアップルバナナなど全国から食材を集めた。香川県産の伝統高級砂糖「和三盆」も混ぜ、上品な味わいに仕上げた。

 昨年3月、地元に株式会社「ITADAKI」を創業し、ソースは「HIGH QUALITY JAPANESE BBQ SAUCE 刃YAIBA」と名付けた。今年2月に東京で行われた「第37回グルメショー春2025」でフード部門の審査員特別賞を受賞。国内外の飲食店などから発注が来ているという。

 ソースは「ITADAKI」のホームページから購入できる。


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