陸上養殖が中小型の設備で可能に 福岡市のリックスが実用化へ!

カワハギなど様々な魚を養殖

 産業機械のリックス(福岡市)は、陸上養殖設備の製造販売に乗り出す。サバ、カワハギなど様々な魚種を養殖可能な中小規模の設備の実用化にメドがついた。ショールームを兼ねた実証プラントを建設中で、福岡県岡垣町で2027年前半の完成を予定する。すでに関心を示している事業者もあり、27年後半の販売開始を計画している。

海の環境変化で新事業

 リックスは、半導体業界向けのウェハー洗浄装置や、水族館用ポンプなど、水や流体に関する技術力に強みを持つ。関連する新規事業を検討する中で、海水温上昇など、水産資源をめぐる環境変化で陸上養殖への関心が高まってきたことに注目し、24年に本格的な研究を始めた。

 これまでに実験用の容量10トンの水槽をつくり、人工の海水を循環させ、発生するアンモニアといった有毒物を微生物などで浄化する装置や、自動給餌、遠隔監視、飼育状況の分析システムも開発した。生き物を扱う事業がなく、飼育ノウハウで苦労したが、エサを与える量やタイミング、水温調整など試行錯誤を重ね、養殖設備を完成させた。


研究用の陸上養殖設備


山間地や遊休地でも!


 建設中のプラントには、販売モデルを想定した直径10メートルの100トン水槽2基を設置する。生産の効率性についての実証も行い、採算モデルを構築して売り込む方針だ。

 設置が相次いでいるサーモン養殖などの大型設備に比べると小規模で、山間地や企業の遊休地などを活用しやすい。海水を取水しないため、寄生虫のアニサキスによる食中毒の恐れがほとんどないことから、生食用での提供も可能とみている。

 赤星直徳・NB開発部長は「大型設備に比べると飼育コストが高いのが課題だが、刺し身用のサバの完全養殖など、地域の名物としてブランド化できるような高単価の魚種の養殖向けに売り込んでいきたい」と話している。


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