満開のチューリップで市民にお別れを 庭園デザイナーが「かしいかえん」で計画

「かしいかえん」にアイスチューリップを植える構想を練る石原さん

記事 INDEX

  • 年末閉園、65年の歴史に幕
  • 12月に開花するように調整
  • 市民に「思い出」を贈りたい

 12月30日で閉園する福岡市東区の遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」の最後を1万本のチューリップをはじめ春の花々で彩ろうと、庭園デザイナーの石原和幸さんが準備を進めています。園の前身は戦前のチューリップ園。石原さんは「市民の思い出が詰まった場所への最高のプレゼントにしたい」と構想を練っています。

<かしいかえん>
 1930年代後半に西日本鉄道の前身の一つ「博多湾鉄道汽船」がチューリップ園を開いたのが始まり。56年4月に「西鉄香椎花園」としてオープン。63年以降は観覧車や各種アトラクションも導入し、四季折々の草花が咲き誇る「花と緑の遊園地」を打ち出した。2009年には人気キャラクター「シルバニアファミリー」の世界観も取り入れた。敷地面積約12万平方メートル。

年末閉園、65年の歴史に幕

 かしいかえんは、福岡市内唯一の遊園地として親しまれてきました。入園者は1986年度にピークの57万人を記録しましたが、レジャーの多様化や少子化で減少し、コロナ禍も重なった2020年度は13万人に落ち込みました。施設を運営する西日本鉄道は今年3月、年内で閉園し、65年の歴史に幕を下ろすことを発表しました。


12月30日で閉園するかしいかえん

 石原さんは、世界中の庭師がガーデニングの腕を競う英国の「チェルシーフラワーショー」で何度もゴールドメダルを受賞した国内屈指の庭園デザイナーです。かしいかえんとの関わりは2017年の大幅改装にあたり、西鉄グループのホテルの植栽を手がけた縁で園内の植栽をプロデュースしたことから始まりました。


季節の花々で彩られている園内

 「子どもの頃に連れてきてもらうのが楽しみだった」「初めてのデートで行った場所」――。4年にわたって携わる中で、長崎市出身の石原さんは、かしいかえんが多くの福岡市民にとってかけがえのない思い出の場所であることを知りました。


advertisement

12月に開花するように調整


チューリップが咲く1988年春の園内(提供:西鉄)

 西鉄には、園内で鮮やかに咲くチューリップを思い思いに楽しむ市民の写真が残されています。「チューリップに始まり、チューリップで終わるのも、いい思い出になるのでは」。石原さんはそう思い立って西鉄側に提案し、実現へと動くことになりました。


花の遊園地として「チューリップまつり」も開かれた(提供:西鉄)


 閉園するのは春ではなく、真冬の12月下旬です。そこで、球根を冷蔵処理して冬を疑似体験させ、12月に開花するよう調整した「アイスチューリップ」を植えることにしました。


市民に「思い出」を贈りたい

 来園者の送り迎えをするように、入場門から園内につながる通路などに植えてクリスマス頃から満開にする計画です。「市民に『思い出』をプレゼントしたい」との思いから、チューリップはすべて石原さんが無償で提供し、パンジーなどで周りを彩る予定です。


チューリップを植える予定のフラワータワー周辺

 西鉄広報課は「チューリップとともに閉園を迎えられればと考えていたので感謝しています。いつもと違う季節に花が咲き誇るかしいかえんを最後まで楽しんでほしいです」と話しています。

 西鉄での仕事をきっかけに、福岡市の「一人一花運動」のアンバサダーにも就いた石原さんは「世界一の『フラワーシティ』を目指す福岡市にとって象徴的な場所。閉園しても、市全体をかしいかえんのような街にしていきたい」と意気込んでいます。

思い出を残す「人文字」に参加しませんか!!
 読売新聞西部本社は、かしいかえんの思い出を残すクラウドファンディング企画「ありがとう かしいかえん」に取り組んでいます。園内で人文字をつくってドローンから空撮(11月20日予定)し、その写真を収めたパノラマ新聞を制作するなど様々な返礼品を準備しています。応募は11月30日(人文字の空撮への参加権は11月12日)まで。詳しくは、読売新聞のクラウドファンディングサイト「idea market」でご確認ください。


advertisement

この記事をシェアする

  • テアトルアカデミー
  • 読売旅行 行くばい!よか旅
  • 読売新聞 購読の申し込み
  • 西部読売育英奨学会 よみいく
  • ささっとーも読める読売新聞オンラインアプリのご紹介