「かしいかえん」の思い出とともに オブジェと遊具が糸島のパン屋にお引っ越し 

かしいかえんから「童夢の森」に移設された木のオブジェ

記事 INDEX

  • 「童夢」に込めた思いから
  • 「すごい歴史を預かった」
  • かわいらしいパンも登場

 昨年暮れに65年の歴史に幕を下ろした遊園地「かしいかえん」(福岡市東区)のオブジェや遊具の一部が、福岡県糸島市にあるパン屋「石窯パン工房 童夢の森」に譲渡されました。「園の思い出を引き継ぎたい」というオーナーの願いから"引っ越し"が実現。新天地でも昔と変わらず、たくさんの人を笑顔にしています。

「童夢」に込めた思いから

 「童夢の森」は2008年にオープン。店内には、動物をかたどった菓子パン、牛すじカレーパンなど約80種が並びます。本店のほか、福岡市・天神や九州大学伊都キャンパスにも店舗があり、1日に計3000個のパンを焼き上げています。


さまざまなパンが並ぶ店内

 オーナーの永田紀美江さんにとって、かしいかえんは息子2人をよく連れて行った思い出深い場所。閉園のニュースを知り、『童心に返って夢を追い続ける』という店のコンセプトにあうものがあれば譲り受けたいと考え、園を運営する西日本鉄道に問い合わせたそうです。


かしいかえんへの思いを語る永田さん

 引き継ぎが可能なものを西鉄側と打ち合わせ、オブジェや小型遊具など計6点が2月に到着。設置工事や"お色直し"を経て、3月14日にお披露目されました。


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「すごい歴史を預かった」

 ひときわ目を引くのは、高さ約3メートルの木のオブジェ。小動物と触れ合える「なかよしどうぶつらんど」にあったもので、店舗の入り口付近とテラス前の2か所に置かれています。それぞれ「どうむかえん」「どうむもりと」と名付けられました。


「どうむもりと」(左)と「どうむかえん」

 小さな子どもが喜ぶ滑り台は、園内のシルバニアガーデンで親しまれていたものです。日によっては、順番待ちの列ができるほどの人気だそうです。


シルバニアガーデンにあった滑り台

 このほか、キノコのオブジェやプールにあった海賊の像なども移設。「みなさんが感激して写真を撮ったり、遊具で楽しんだりしているのを目にすると、すごい歴史を預かったなと感じます」と永田さんは話します。

かわいらしいパンも登場

 店では今回の譲渡を記念して、特製のパンも作りました。チョコ生地にいちごジャムやカスタードが入った「かえんくん」と「もりとくん」。オブジェそっくりのかわいらしい見た目で、いずれも税込み300円です。


譲渡を記念して作ったパン

 「店のシンボルになってほしいと考えて作りました」と永田さん。「65年の思い出と笑顔を引き継ぎ、ここに来た人たちに、かしいかえんのことを思い出してもらえれば」と願っています。



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