ビッグバンで一変する天神 【前編】カメラを手に歩いて「今」を切り取った
「100年に1度の大変革」ともいわれる福岡市の「天神ビッグバン」。国の「国家戦略特区」の指定を受けて、福岡市が2015年にスタートした再開発促進策だ。老朽化した大型ビルの取り壊しが進む一方で、地上19階の「天神ビジネスセンター」が完成するなど、日々変化を遂げる天神をカメラを手に歩いた。
高さ制限を最大115メートル、容積率を最大1400%に緩和した天神ビッグバンは、天神交差点を中心に半径約500メートル、およそ80ヘクタールのエリアで進む。2026年までに約70棟のビルが建て替わる見通しだ。
2021年8月に幕を閉じた複合商業施設「イムズ」。金色の鮮やかなタイルが印象的で、かつては天神のシンボル的存在だった建物も、解体のための足場が組まれ、青いネットに覆われている。
西日がビルにあたりレフ板のように反射して、街並みに光を照らす。ガラス窓に映る街並みが、モザイク模様をつくり出し、さながら光と影が織りなす現代アートのようだった。
福岡大空襲も体験したという福岡市早良区の森部聰子(としこ)さん(84)は「昔はここに市場や商店街があり、空が広がり虹も見えました。ビルが壊され、限られた時間だけれど、広い空が復活したように見えますね」と天を見上げた。
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