元炭鉱町で繰り広げられる心温まるストーリー 大牟田ロケ映画「向田理髪店」が完成

試写会であいさつする森岡監督(左)と出演者ら

 福岡県大牟田市内を中心に撮影が行われた直木賞作家・奥田英朗さんの同名小説が原作の映画「向田理髪店」が完成した。10月7日から、福岡、熊本県で先行上映、同14日から全国公開される。映画のPR実行委員会の山下和也委員長は「大牟田市全体で作り上げた映画。みんなで広めていこう」と市民に呼びかけている。

市民エキストラ500人

 映画は、寂れた元炭鉱町「筑沢町」が舞台。理髪店を営む男性と息子の人間模様を軸に、過疎化や介護、結婚難などに直面する町民の姿を描くことを通して、家族の絆や人と人とのつながりなどを思い出させてくれる心温まるストーリーだ。


映画「向田理髪店」のチラシ


 理髪店の店主を高橋克実さん、妻を富田靖子さん、息子を白洲迅さんが演じる。高橋さんにとっては初の主演映画。福岡を中心に活躍するHKT48のメンバーも出演する。

 大牟田では昨年12月に撮影され、市民エキストラも延べ約500人参加した。実際に理髪店だった店を改修して舞台に使ったほか、世界文化遺産・宮原坑など大牟田の風景がふんだんに盛り込まれた。

10月7日から先行上映

 セントラルシネマ大牟田で8月23日に行われた試写会には、山下委員長らPR実行委のメンバーや撮影協力した市、大牟田商工会議所などの関係者ら約100人が駆けつけた。映画の最後にHKT48による主題歌「全然 変わらない」が流れる中、多くの市民の名前が紹介されるエンドロールになると、観客は食い入るように見入っていた。


 試写会であいさつした森岡利行監督は「架空の町の設定ながら、市役所に大きく『大牟田』と出ている」と笑いを誘った上で、「この大牟田で、劇団で昔一緒だった高橋さんと30年ぶりの仕事ができてうれしかった」と振り返っていた。


撮影を振り返る森岡監督


 上映情報は映画公式サイトで。前売り券(1200円)は同館と大牟田観光プラザで販売されている。


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