愛されて半世紀! 東京都内でブラックモンブランを探してみた

記事 INDEX

  • 「モンブラン山にチョコをかけて食べたい」
  • 都内でブラックモンブランを探した結果は?
  • 実際どうなってるのか竹下製菓に聞きました

 ブラックモンブラン。竹下製菓(佐賀県小城市)が1969年5月に発売し、50周年を迎えた福岡県民にとっても定番のアイスです。そんなブラックモンブランですが、いざ九州を出るとあまり見かけないのも事実。ネット上では「東京にはブラックモンブランがない」という九州出身者の悲痛な声も散見されます。事実を検証するため、記者が東京都内を歩きました。


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そもそもブラックモンブランとは?


 ブラックモンブランは、バニラアイスにザクザク食感のクランチとチョコレートがコーティングされたアイスです。発売当初から、アイスの棒には当たりくじがついています。多くの福岡県民にとって、子どもの頃から親しんだ味で、豚骨ラーメンや明太子に並ぶ「ソウルフード」と言っても過言ではありません。竹下製菓のウェブサイトには次のような説明があります。

 竹下小太郎・前会長がアルプス山脈の最高峰「モンブラン」を目の前に眺めたときの「この真っ白い山にチョコレートをかけて食べたらさぞ美味しいだろう」との思いを、アイスクリームの名称に取り入れたものが「ブラックモンブラン」です。当時のアイスといえば、ほとんどが着色料で色付けした水に甘味料などで甘みをつけただけの駄菓子っぽいものだったのですが、バニラアイスにチョコレート、クッキークランチといった洋菓子風の高級感をもった「ブラックモンブラン」に子供たちは惹かれたようです。(竹下製菓ウェブサイトより抜粋)

 「モンブラン山にチョコをかけて食べたら美味しそう」という驚きの発想力が、ブラックモンブランを生みました。今では庶民の味として広く親しまれていますが、当初は「高級感」を打ち出した商品だったようです。


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まずは都心のコンビニをチェック

 都内を取材したのは11月19日。都心の最高気温は20度を超え、汗ばむ陽気でした。今回、記者は「ブラモンGO」と勝手に名付け、途中経過をツイッターでつぶやきながら都内の店を巡りました。まずは都心部のコンビニエンスストアを調べました。記者が住んでいる福岡市内のコンビニには必ずと言っていいほど置いてあるブラックモンブランですが、何軒探し歩いてもありません。

スマホで有力情報を発見。そして…

 ここでいったんスマホで検索。すると、スーパーマーケット「サミットストア」(東京)とディスカウントストア「ドン・キホーテ」(東京)で販売しているとの情報を複数見つけました。「ブラックモンブランは下町が似合う」。記者の勘を働かせ、墨田区にある「サミットストア両国石原店」に向かいました。


サミットストア両国石原店(東京都墨田区)に到着


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そこにはブラックモンブランが…

 ありました。隅田川で東京スカイツリーと記念写真を撮りました。

 サミットは都内のほか、神奈川県、千葉県、埼玉県に計116店舗を展開(2019年12月現在)する関東圏のスーパーです。後日、サミットの広報に取材したところ、「ほぼ全店舗で販売しています」ときっぱり。サミットにはブラックモンブランが"ある"ことが判明しました。

「東京にない」は都市伝説なのか

 地場スーパーで発見し、ブラックモンブランは東京でも庶民の味方だということが分かりました。意外とあっさり見つかったので、「東京にはない」はもはや過去のイメージで、都市伝説ではないかという疑念がわいてきました。


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 勢いに乗ってドン・キホーテも調べました。東京に住んだ経験がない記者は「東京=高層ビル=新宿」という安易なイメージから、次の目的地を新宿に定めました。しかし、これが裏目に出ます。

ラストチャンスに賭ける

 「東京、なめてたわ…」。新宿駅周辺のドン・キホーテ2店舗での連敗が、徒労感となって記者を襲います。そうこうしているうちに次の予定の時間も迫ります。目的地への途中、秋葉原に立ち寄りました。新宿での連敗もあり、期待せずに「ドン・キホーテ秋葉原店」に入りました。すると……

竹下製菓に聞いてみると

 東京での取材を終え、製造元の竹下製菓に聞きました。広報によると、ブラックモンブランの"東京進出"は以外と古く、約20年前にはサミットで正式に販売が始まりました。サミットのほか、同じく地場スーパーの「ヤオコー」、記者も見つけた「ドン・キホーテ」などで販売していることを教えてくれました。そのほか、意外な場所では、大学生協に置いているそうです。大学生になって初めて目にする首都圏在住者も多いとのこと。さらに、博多ラーメン店「一風堂」でも販売しているそうです。


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次の50年へ、変わらぬ魅力

 首都圏でも気軽に買えるようになったブラックモンブランですが、竹下製菓にはいまだに「どこで買えますか?」という問い合わせが寄せられるとのこと。2019年は発売50周年の企画として、在京ラジオ局で9時間にわたって特別番組を放送するなど、首都圏でのPRにも力を入れています。そのため、在京メディアからの取材の問い合わせも増えているそう。広報担当者は「ブラックモンブランは50年の長きにわたって皆さまに愛されてきました。これからもお客さまに『おいしい、楽しい』を提供し続けていきたいですね」と話していました。 

 次の50年、ブラックモンブランは国民的おやつになっている!?

※取り扱い店舗の情報はすべて取材時点のものです。



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