なるほど深い…深海の話 マリンワールドの特別展に行ってきた

 福岡市東区の水族館「マリンワールド海の中道」で、特別展「深海展~五島海底谷~」が開かれています。珍しい生物の標本をたくさん紹介していると聞き、取材に出かけました。初めて目にした生き物に驚くだけでなく、海底の地形の神秘についても思いを巡らせてきました。特別展は2020年2月2日まで開催されています。

標本約70点を展示

 マリンワールドでは普段から深海の生物を見ることができますが、特別展では約70点の標本を紹介しています。おなじみのチョウチンアンコウから、めったに見られないユニークな姿のものまで様々な深海魚が並んでいます。中には、九州近海でとれた種類もいます。


標本がずらりと並んでいます


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おなじみのチョウチンアンコウ

そもそも深海って?

 深海とは、太陽の光が届かない200メートルより深い海を指すそうです。私たちの想像を超える特殊な環境で、多様な生き物がくらしています。


ミツクリザメ(上)とラブカ(下)もいます

 会場には、「国立研究開発法人海洋研究開発機構」(JAMSTEC)の有人潜水調査船「しんかい6500」が撮影した映像のほか、模型や解説パネルもあり、深海の不思議を学ぶことができます。 


海底の熱水噴出孔を再現した模型


深海を詳しく解説するパネル

 様々な角度から深海を紹介している特別展。マリンワールドの担当者は「九州でも、意外と近いところに深海が広がっています。深い海のことをぜひ知ってほしいです」と話していました。


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川が削った跡が深海に…

 ところで、特別展のタイトルに添えられた「五島海底谷」とは何なのでしょうか。その五島海底谷に並々ならぬ関心を持つマリンワールドの中村雅之館長に解説してもらいました。

――五島海底谷とは何ですか。

 海底谷は、読んで字のごとく海底にある谷です。五島海底谷は、長崎県・五島列島の福江島の南に位置し、深さは600~800メートル。中国の黄河の浸食などでできた谷なんです。


五島海底谷を熱く語る中村館長

――海底なのに川の浸食ですか?しかも黄河?

 今から1万年以上前の氷河期は、海水面が今よりも下がっていました。黄河も日本のもっと近くまで流れ込んでいたと考えられています。その頃から五島海底谷は海面下でしたが、浅い場所だと川の流れの影響を受けます。現在の海底の地形図を見ても、黄河から五島海底谷に向けてまっすぐ筋のようなものが見て取れます。

――お話を聞いて、海底谷への館長の情熱を感じました。

 海は平らに見えますが、その下は複雑な地形をしています。それを知れば、日本列島ができた起源を知ることができますし、生物がなぜそこにいるのかを知るヒントにもなります。それが、海底のロマンです。


五島海底谷のこともしっかり解説しています

 なるほど。「深い」です。特別展は、マリンワールドの入館料で楽しめます。足を運んで、深い海の世界を探訪してみてはいかがでしょうか。


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